環境省、再エネなど5分野のCO2削減技術・実証を後押し 25年度公募開始

環境省は1月9日、CO2排出量大幅削減と地域活性化の同時達成に向けて、「交通」「住宅・建築物」「再生可能エネルギー」「バイオマス・循環資源」「社会システム革新」の5分野で、将来的な気候変動対策の強化につながるCO2排出削減効果の高い技術の開発・実証の公募を開始した。今回は1次公募で、公募期間は2月7日15:00(必着)まで。

『環境省R&D事業』1次募集

事業名は2025年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(環境省R&D事業)」。この事業では、民間企業、公的研究機関、大学等から技術開発・実証の課題(提案)を募集し、外部専門家から成る委員会において選定・採択し、委託、補助またはその両方により実施する。

1課題当たりの単年度の予算額は総事業費ベースで3000万円〜5億円。補助事業を含む場合は、当該事業費に対する補助率は1/2以内(最大2.5億円)。提案内容に応じて、委託、補助又はその両方の区分を選択して応募する。実施期間は原則として3年度以内。延長を認めることがある。

なお、既に環境省で実施されている事業との差異が小さく、実施の意義が小さいと判断された提案課題は、対象分野に合致したとしても採択しない。

公募対象に2枠

公募の概要は以下の通り。公募対象枠は下記のアとイで、併願はできない。

(ア)地域共創・セクター横断型テーマ枠

国の政策を踏まえつつ、地域社会におけるニーズと各セクターにおける取り組みについて、相互に連動した課題をテーマとして設定し、様々なステークホルダーがイノベーションのパートナーとして参画する地域共創・セクター横断型の技術開発・実証を実施する。

2025年度は、特に以下のテーマについて重点的に実施する。

「気候変動×住宅・建築」:対象となる技術開発・実証課題の例は次の通り。

  • 更なる再エネ導入拡大のための建材一体型太陽光発電システム等の次世代太陽電池の用途開発・実用化
  • ストックの省CO2改修技術や共同住宅向け技術の開発
  • ヒートポンプ給湯器等の高性能化、低コスト化、寒冷地対応の促進等、高効率な省エネ機器の開発
  • エネルギーの使用状況を把握し、見える化やCO2診断等のフィードバックを行うとともに、住宅・建築物の快適性や生産性を確保しつつ、機器・設備について最適な運転の支援を行うエネルギー管理システムの開発
  • グリッドと協調することで電力消費を効率化し、調整力を提供することで地域の再エネ導入拡大に寄与するビル・工場等の開発

「気候変動×農林水産・自然」:対象となる技術開発・実証課題の例は次の通り。

  • 地域ごとに異なる原料資源を用いた産業形態に対応した資源利用の効率化に係る技術開発
  • 地域内で利用率の低いバイオマス原料等を含む多様な資源を安定的かつ持続的に調達する技術の開発
  • エネルギー効率の高い熱利用に係る技術開発
  • 生物模倣(バイオミミクリー)による革新的な省CO2技術の開発

「気候変動×地域交通」:対象となる技術開発・実証課題の例は次の通り。

  • 大型・長距離モビリティ(自動車、鉄道、船舶、産業機械等)のインフラを含む電動化に係る技術開発
  • 従来のエンジンでも使用可能な非化石燃料の製造(バイオ燃料・合成燃料等)に係る技術開発
  • 複数のモビリティで構成される交通システム全体のエネルギー消費量を最小化するためのプラットフォーム構築(エネルギーマネジメント、モーダルシフト等)

(イ)ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠

将来的な地球温暖化対策の強化につながり、各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きいものの、開発リスク等の問題から、民間の自主的な取組だけでは十分に進まない技術開発・実証を実施する。

応募方法について

応募様式等をダウンロードし、公募要領・作成要領に従って必要事項を記載の上、所定の方法で提出する。

2024年度事業では14件を採択

2024年度事業では、1次公募で7件、2次公募で7件を採択している。

地域共創・セクター横断型テーマ枠の「気候変動×住宅・建築」では、タイガー魔法瓶らの「ステンレス密封長寿命不燃真空断熱パネル技術開発・実証」、「気候変動×農林水産・自然」では、東山フイルムらの「革新的な氷雪付着防止材料による積雪地帯における太陽光パネルの発電効率向上実証事業」、「気候変動×地域交通」では、井本商運らの「普及型第二世代電気推進船及び低コスト化・標準化を実現する汎用プラグインハイブリッド電気推進船(PHEV)プラットフォームの開発と実証」が採択されている。

ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠では、東芝エネルギーシステムズらの「岩石蓄熱プラントの技術実証および地域社会に適した大規模蓄熱エネルギーマネジメントモデルの技術開発」や、豊田通商らの「風力発電の発電効率向上に向けた機械学習を用いた最適制御の技術開発・実証」などが採択されている。

また、2023年度事業で採択された、マクニカは、この事業の一環で、フィルム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)の実用化に向けた大規模実証を実施している。同じく2023年度事業で採択された​​住友商事らは、もみ殻由来のバイオ燃料・バイオケミカルを製造する実証実験に取り組んでいる。

脱炭素社会と循環共生型社会を構築へ

脱炭素社会の実現に向けて、各地域の特性を活かして、脱炭素かつ持続可能で強靱な活力ある地域社会を構築することが求められている。この事業は、CO2排出量大幅削減と地域活性化の同時達成、これらを通じた「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」で掲げる早期の脱炭素社会の実現、ひいては第六次環境基本計画に掲げる「循環共生型社会」の構築に貢献することを目的としている

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/505a5ac0-d7e0-40f7-baaf-58ec1a9ea174

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