TotalEnergiesとAdani Green Energyが1GWの太陽光発電プロジェクトをインドで展開へ

TotalEnergiesは、インドのAdani Green Energy Limited(AGEL)とのパートナーシップを次の段階に進め、グジャラート州カブダで1GW以上の太陽光発電を開発する新たなジョイントベンチャーを発表しました。この協力は、インドでの再生可能エネルギー生産を拡大し、世界的な脱炭素化の取り組みを支援する戦略の一環です。

TotalEnergiesとAdaniの新たなJVの展開

このパートナーシップにより、Adani Greenは、カブダ地域で1,150メガワットの交流電力(MWac)を生み出す新たな太陽光発電ポートフォリオを構築します。これにより、既存の協力関係が強化され、インドの再生可能エネルギー目標の達成が後押しされます。生成される電力は、Solar Energy Corporation of India(SECI)との電力購入契約(PPA)および市場取引を通じて販売される予定です。

TotalEnergiesは、このジョイントベンチャーに4億4400万ドルを投資し、19.7%の株式を保有する予定で、Adani Greenは資産を提供します。現在、AGELはインド全土で11GWの太陽光と風力発電の容量を持ち、2030年までに50GWの容量を目指しています。

再生可能エネルギーへの多額の投資

TotalEnergiesは、再生可能エネルギーと低炭素ソリューションへの投資を拡大しています。2023年末までに再生可能電力の総設置容量22GWを達成し、2025年までに35GW、2030年には年間100テラワット時(TWh)以上の電力生産を目標に掲げています。今年の投資額は178億ドルに達し、その35%を低炭素エネルギーに割り当てる計画です。

このような投資は、同社の持続可能なエネルギーへの転換を示しており、二酸化炭素排出量を削減しつつも収益を確保するための取り組みの一環です。TotalEnergiesは、パリ協定の「世界の気温上昇を2°C未満に抑える」目標に沿った戦略を推進し、新たなプロジェクトの採算性だけでなく、スコープ1および2の排出量への影響も厳格に評価しています。

Adaniのネットゼロへのビジョン

両社の協力は、2023年9月に署名されたジョイントベンチャー契約に遡ります。ポートフォリオには、運用中の300MW、建設中の500MW、開発中の250MWを含む1,050MWが含まれており、TotalEnergiesは3億ドルを投資し、Adani Greenの太陽光と風力プロジェクトの50%の株式を取得しました。

カブダでのプロジェクトは、Adaniの計画する世界最大の再生可能エネルギーサイトの一部であり、538平方キロメートルにわたり、完全稼働時には30GWの電力を生成する予定です。この取り組みにより、カブダはインドのネットゼロ目標達成に向けた重要な拠点となります。Adaniは、過去の財務年度において、CO2排出量を3670万トン削減し、390万トンの炭素クレジットを生成しました。

インドのエネルギー市場におけるTotalEnergiesの役割

TotalEnergiesは、インドを再生可能エネルギーと天然ガスの重要な市場として位置づけており、このパートナーシップを通じて、Adaniの大規模なエネルギー拡張計画において重要な役割を果たします。Adaniは、インドの脱炭素化に寄与するための積極的な措置を取っており、今回のカブダプロジェクトもその一環です。

このプロジェクトは、AdaniとTotalEnergiesが共同で進める再生可能エネルギーの増強により、インドが2050年までにネットゼロを達成するための重要な一歩となります。また、両社の協力によって、炭素削減、エネルギー効率向上、メタン排出削減といった分野でも重要な成果が期待されています。

持続可能な未来へ向けた展望

TotalEnergiesの取り組みは、同社が掲げる2050年までにネットゼロを達成するビジョンの一環です。スコープ1および2の排出量削減を目的としたプロジェクトの推進に加え、同社は炭素回収・貯留技術やe-燃料などの先進技術にも注力しています。

さらに、Anew ClimateとAurora Sustainable Landsとのパートナーシップにより、持続可能な森林管理と炭素管理を通じて、気候変動に立ち向かう世界的な取り組みを進めています。Auroraは、米国全土で170万エーカーを超える森林を管理しており、炭素除去と貯蔵を最大化する戦略を採用しています。

このようなパートナーシップを通じて、TotalEnergiesは再生可能エネルギーへの移行を加速し、ネットゼロの実現に向けた重要な役割を果たしています。

【引用】
carboncredits.com. TotalEnergies and Adani Green Form $444 Million JV for a Major Solar Project in India

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. バイオマス発電所由来の「環境価値」を東レらに分離提供 中部電力ミライズ

  2. 東急グループ、100%再エネ電力で自産自消実現へ バーチャルPPA活用

  3. 鴻池運輸、イオン店舗配送用にEVトラック導入 CO2削減が狙い

  4. キリンと日立、良質な森林由来カーボン・クレジット創出に向け共同研究

  5. カーボンクレジット生成スタートアップVaraha、東南アジアやサブサハラアフリカでの地理的プレゼンスの拡大と技術・科学能力の強化を目指し、シリーズA870万ドル資金調達

  6. 大気汚染対策、気候変動との相互作用など知見共有へ 日中韓会合

  7. 阪神タイガース、夏の9試合をカーボン・オフセット 200tのCO2削減

  8. Carbon EX社とアスエネ、北日本銀行が業務提携。カーボンクレジット・排出権取引所を活用し、企業の脱炭素経営を支援

  9. 東北銀・盛岡信金、環境省と連携協定 東北地方のローカルSDGsを促進

  10. 環境省、グリーンファイナンスのガイドライン見直し 国際原則の改訂を反映

  11. バイウィルとe-dash、CO2削減認証の「地産地消」支援 

  12. 竹中工務店、建物の生涯CO2を可視化 AIで削減方法を提案など基盤開発

  1. 再生可能エネルギーとは|用語集・意味

  2. 削減プロジェクト (Reduction Project)|用語集・意味

  3. グリーン電力証書とは|用語集・意味

  4. オフセットクレジット (Offset Credit)|用語集・意味

  5. バイオマスとは|用語集・意味

  6. カーボンファーミングとは|用語集・意味

  7. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  8. 【脱炭素】ディズニーも施策を加速中

  9. グリーン成長戦略とは|用語集・意味

  10. ボランタリークレジットマーケット(VCM)とは|用語集・意味

  11. カーボンプライシング (Carbon Pricing)|用語集・意味

  12. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  1. 排出削減単位 (Emission Reduction Unit, ERU)|用語集・意味

  2. カーボンニュートラルとは|用語集・意味

  3. クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism, CDM)|用語集・意味

  4. 排出権取引 (Emissions Trading)|用語集・意味

  5. パリ協定 (Paris Agreement)|用語集・意味

  6. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  7. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  8. 【気候変動と脱炭素ビジネス①】日本人が知らない環境危機と地球に配慮したクリーンなビジネスとは?

  9. 温室効果ガス (Greenhouse Gas, GHG)|用語集・意味

  10. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  11. カーボンフットプリントとは|用語集・意味

  12. 追加性 (Additionality)|用語集・意味