東日本旅客鉄道(JR東日本/東京都渋谷区)は10月8日、浜松町駅から大井町駅にいたる東京南エリア「広域品川圏」のまちづくり事業において、大井町エリアで推進する「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」によるまちの名称を「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」とすることを発表した。
大井町エリアのまちづくりでは、2026年3月のまちびらきに向け、JR東日本グループ初のサービスレジデンス、アウトモール型商業施設、オフィス、ホテルなど、延床面積26万m2の大規模複合施設や広場を整備する。また、大井町エリア全体の新たな賑わい創出を目指すとともに、歩行者ネットワーク整備や防災分野などで品川区や周辺地域・事業者と連携し、災害に強く環境に配慮したまちづくりを目指す。
広域品川圏の一翼を担う都市生活共創拠点
この開発では、隣接して計画される品川区新庁舎と連携した「一体的なまちづくり」や「地域防災力の向上」などにおいて品川区と共創する。また、従来の決済、認証に加えて、交通系ICカード「Suica」で集まるデータを元に、行政、企業、メーカー、地域などとの共創により、新たなライフ・バリューの創造を目指すことで、質の高いくらしが実現する都市生活共創拠点の形成を目指している。
地元と連携したイベント開催などの地域との共創により、エリア全体の賑わいの創造にも寄与、さらに、ゼロカーボンのまちづくりを実現することで、このエリアの価値向上を掲げている。
ゼロカーボンのまちづくり
環境対策では、コージェネレーションシステム、街区内における地域熱供給(DHC)、太陽光パネルなどの導入により一般的なビルに比べて、CO2排出量を約50%削減する。また再生可能エネルギー証書の活用などにより、実質ゼロカーボンのまちづくりを実現する。
地域の防災力向上では、品川区と連携し、屋内に約3,000人の帰宅困難者受け入れスペースを確保し、72時間滞在可能な備蓄を行う。さらに、発災時には約4,600m2の広場「TRACKS PARK」を広域避難場所として開放する。
「広域品川圏」のまちづくり
JR東日本は、羽田空港の国際化やリニア中央新幹線の整備による交通基盤の進化を見据え、国際交流拠点の実現を目指す「品川開発プロジェクト」を中心に、浜松町駅から大井町駅間の東京南エリア「広域品川圏」の各駅において、事業パートナーや地域の人たちと連携しながら、駅を中心としたまちづくりを推進している。「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」は、その重要な柱のひとつとなる。
まちの名称「OIMACHI TRACKS」の由来
今回決定したまちの名称「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」は、TRACKSの持つ意に由来する。
TRACKSは「通り道、線路」の意を持ち、開発敷地の由来である「車両基地・工場」や計画の基幹施設となっている「歩行者デッキ・ストリート」のイメージとともにこのまちが未来に向けて発展していく道となることを表現している。