環境省、気候変動関連技術のGHGインパクト算定・評価で手引き 投資促進へ

環境省は11月15日、投資家などが投資案件審査時に気候変動関連技術(Climate Tech)スタートアップの環境インパクトを算定・評価する際のフレームワークとして、温室効果ガス(GHG)インパクト算定・評価に関する手引きを策定・公表した。

GHGインパクトを評価する際に参考となる考え方や手順を取りまとめたもので、Climate Tech事業の意義や将来的な価値への理解を深め、投資促進に貢献する。

スタートアップ自身の投資家説明にも寄与

名称は「投資家とスタートアップ向け:Climate TechのGHGインパクト算定・評価に関する手引き」。この手引きは、Climate Techスタートアップの環境インパクト、中でも将来的なGHG削減効果(GHGインパクト)に焦点を当てている。

事業のもたらす将来的なGHGインパクトを算定し、そのインパクトが中長期的な気候変動の目標(パリ協定、産業別のGHG削減目標など)の達成にどの程度貢献するかを把握することは、事業の意義や事業計画の蓋然性を含めた事業の将来的な価値に関する解像度を高めることにつながる。また、事業の持つ競合他社や業界内での優位性を客観的に理解し、評価することにもつながる。

そのため、今回策定した手引きを、投資家による投資案件審査時のGHGインパクト評価の参考とするだけでなく、スタートアップが自身の事業の将来的なGHGインパクトを算定し、投資家に説明する際にも参考になるとしている。

手引の構成

手引きは、「背景」、3章からなる「算定の流れ」、「参考 先行する海外投資家によるインパクトレポート」で構成される。

「背景」では、目的や事業の将来的な環境インパクトを算定・評価することの意義、GHGインパクト算定結果の投資判断への活用方法、基本的な考え方・ポイントなどについてまとめている。

「算定の流れ」は、Project Frameのペーパー「Pre-investment Considerations: Diving Deeper into Assessing Future Greenhouse Gas Impact」のSection1からSection3に極力準拠して作成している。Project Frameは、気候変動や環境に関するインパクト評価手法を構築するため投資家や専門家のプラットフォームで2021年に設立された。

(出所:環境省)

(出所:環境省)

「インパクトファイナンス」の実践を推進

一定の「投資収益」確保を図りつつ、環境・社会的によいインパクトの実現を意図する投融資手法を「インパクトファイナンス(インパクト投資)」という。

環境省では、投融資によるポジティブなインパクトの創出を拡大するため、金融機関や投資家自身が投融資のインパクト創出に関する意図を持ち、それを自らの戦略として具体化するとともに、金融機関や投資家自身がその戦略を発信・表明する「インパクトファイナンス」の実践を推進している。2020年7月に「インパクトファイナンスに関する基本的考え方」、2021年3月に「グリーンから始めるインパクト評価ガイド」を策定・公表した。

環境インパクトの評価方法について進む議論

Climate Techへの投資を促進し、ファイナンスを通じて気候変動問題の解決に貢献していく上では、その技術が持つ環境インパクト(Climate Techの場合、GHGインパクト)を投資案件審査時に評価し、投資後にそれをマネジメント(管理)し、ポジティブなインパクトを拡大していく、インパクトファイナンスの取組が有効と考えられている。

特に、ベンチャーキャピタルなどによるClimate Techのスタートアップに対する投資においては、環境インパクトの評価がそのスタートアップの持つ技術の潜在的な市場価値評価につながる可能性があり、国際的にもその評価方法について議論が進んでいる。

そこで、環境省では、国際的な議論や有識者検討会における議論も踏まえ、「投資家とスタートアップ向け:Climate TechのGHGインパクト算定・評価に関する手引き」を策定した。この手引きは、投資家やスタートアップに活用してもらうことで、Climate Techに関する事業が持つ価値に対する理解を深め、ひいては、Climate Techへの投資促進に貢献してもらうことを狙いとしている。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/15c81344-c6fa-4171-bf01-152b02394cf8

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. 日本製鉄、高炉水素還元でCO2削減43%達成 自社が持つ世界最高水準更新

  2. ランザテックとエラメット、ノルウェーの統合CCUS施設で提携

  3. トゥルーココガーナ、炭素除去プロジェクトのためにBIIから330万ドルを確保

  4. モルガン・スタンレー、クライムワークスから4万トンの炭素除去装置を購入

  5. リケンNPR、風力活用オフサイトPPA導入 CO2年間8300t削減

  6. TikTokとTwo DriftersがClimeworksと長期CDR契約を締結

  7. 脱炭素・自然再興・循環経済を統合し開示促進へ、環境省のモデル支援事業

  8. NTTコミュニケーションズと住友林業、森林由来Jクレジット支援プラットフォーム『森かち』を提供開始

  9. 都「ゼロエミ地区」に、千代田区と江戸川区 脱炭素化支援・10億円補助

  10. 米国エネルギー省(DOE)、18億ドルのDAC資金の申請手続きを開始

  11. 三井住友建設、産業副産物が原料の地盤改良材で掘削土改良 CO2排出も半減

  12. 東京都カーボンクレジットマーケット、第1号取引成立 フジガスが購入

  1. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  2. 温室効果ガスとは|用語集・意味

  3. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  4. グリーン電力証書とは|用語集・意味

  5. カーボンレジストリ (Carbon Registry)|用語集・意味

  6. 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とは|用語集・意味

  7. 【FAEGER】未来の農業に挑む!脱炭素農業とカーボンクレジットの可能性!

  8. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  9. 来月、閉鎖されるENEOSの和歌山製油所の跡地が、脱炭素社会のモデル地区として再整備されることになりました。

  10. クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism, CDM)|用語集・意味

  11. ボランタリー市場(Voluntary Carbon Market, VCM)|用語集・意味

  12. カーボンリムーバル(Carbon Removal)|用語集・意味

  1. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  2. 炭素市場インフラ (Carbon Market Infrastructure)|用語集・意味

  3. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  4. カーボンレジストリ (Carbon Registry)|用語集・意味

  5. 【脱炭素】ディズニーも施策を加速中

  6. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  7. 【FAEGER】未来の農業に挑む!脱炭素農業とカーボンクレジットの可能性!

  8. 排出権取引 (Emissions Trading)|用語集・意味

  9. グリーン成長戦略とは|用語集・意味

  10. CCUSとは(Carbon Capture Utilization and Storage)二酸化炭素回収・利用・貯留|用語集・意味

  11. ICE グローバル・カーボン・インデックスとは(Global Carbon Index)

  12. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所