気候科学専門ベンチャーの気候変動分析ツール、UNEPのデータベースに掲載

気候科学を専門とする東大発ベンチャー・Gaia Vision(東京都渋谷区)は12月17日、洪水や気候変動シミュレーション技術を活用した気候リスク管理プラットフォーム「Climate Vision」が、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が運営する気候リスクツールデータベースに掲載されたと発表した。

世界80以上のツールを掲載した公開データベース

この公開データベース「The Climate Risk Tool Dashboard」は、金融機関向けに気候リスク評価ツールの包括的な情報を提供している。2024年9月時点で世界中の80以上のツールの機能、指標、方法論、前提条件、一般的なユースケースなどの情報を掲載している。

金融業界では、気候変動リスクへの対応と適切な情報開示が課題となっている。「Climate Vision」は、広域で多拠点のリスク分析を実施できるツールで、金融機関の保有する担保や投融資先が広域かつ膨大であることなども踏まえ、グローバルに数万件規模の分析を一気に行える機能などを備えてきた。

物理的気候リスク評価ツールとして掲載

The Climate Risk Tool Dashboardに「Climate Vision」は、物理的気候リスク評価ツールの一つとして掲載されており、Jupiter Intelligence社やMunich REなど、世界的な気候リスク評価プロバイダーと並んで紹介されている。

このデータベースでは、各ツールについて以下の観点から情報が整理されている。

  • リスクタイプ(物理的リスク)
  • 対応シナリオ(IPCC、NGFS)
  • 地理的カバレッジ
  • 対象アセットクラス
  • デモ提供可否
  • オンライン実装状況

UNEP FIのデータベースに関する報告書、2023年にはエクセル版を発行

UNEP FIは、各サービスプロバイダが提供するツールやデータベース関する報告書「Climate Risk Landscape」を2021年にはじめて発行した。2023年6月には、エクセル版の「The Climate Risk Tool Dashboard」の提供を開始し、それ以降も更新を続け、情報を提供している。

一部の機能は無償で利用可

Gaia Visionでは、「Climate Vision」のリリース以降、多くのユーザからサステナビリティ情報開示や気候変動リスク対応を行うためのリスク評価ツールとして活用されてきた。金融機関では、11月に、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)に「Climate Vision」の提供を開始したことを発表している。

同社は、今回の掲載を契機に、より一層のサービス品質向上に努めるとともに、金融機関の気候関連リスク評価ニーズに応えていく。

一部無償で利用できる「Climate Vision」

「Climate Vision」は、無償で一部の機能を利用できる。確認可能な粒度の制限はあるが、世界中のハザードマップ(洪水リスクマップ)をシナリオ別(現在気候/4℃上昇シナリオなど)に確認可だ。ウェブサイトで「新規登録」を行うことで簡単に利用できる。

Gaia Visionは、気候科学を専門とする東大発ベンチャー。環境省が主催する、将来有望な環境スタートアップを表彰する2023年度「環境スタートアップ大賞」で大臣賞に選ばれている。洪水シミュレーション技術などを活用し、洪水などの気候リスクを分析するWebアプリケーションやリアルタイム洪水予測するソリューションなどを提供している。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/424613e1-a764-46ad-8b26-861571635865

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. COP29: クローバーリーパートナーシップが中東プロジェクトに世界炭素市場へのアクセスを解放

  2. 中国、炭素市場の拡大を通じて排出抑制を強化

  3. TOWING、高機能バイオ炭「宙炭」利用拡大へ 新たに約19.4億円調達

  4. 世界初のUNFCCCパリ協定認可ITMOをスリナムで発行:熱帯雨林保護とカーボンクレジット市場の新たな一歩

  5. 英国の炭素価格が50%上昇すると予測:成長の原動力は何か?

  6. サントリーら、熊本で水循環保全活動 地下水涵養価値のクレジット化も

  7. ラコニックとボリビア、50億ドルの国家炭素取引で新たなベンチマークを設定

  8. 横須賀市、藻場の再生面積拡大 Jブルークレジットの購入申込者を公募開始

  9. EU、炭素除去に関する初の公式認証枠組みを承認

  10. 兼松、水田メタン削減でカーボンクレジット創出へ Green Carbonと提携

  11. 八千代エンジニアリング、ブルーカーボンの調査・評価検証 「手引書」に貢献

  12. 東京都、カーボンクレジット取引運用でゴールドスタンダード財団と連携

  1. カーボンプライシングとは|用語集・意味

  2. “現代のゴールドラッシュ”とも言われる動きを取材しました。また、日本では、空気中の二酸化炭素を取り除く技術の開発が始まっています。

  3. 【超入門】世界の一流企業が本気で買い求める「カーボンクレジット」って何?(Apple/ディズニー/マイクロソフト/脱炭素/気候変動)

  4. 脱炭素に向けて、二酸化炭素の排出量を売買できる「カーボン・クレジット市場」が11日、開設されました。

  5. 持続可能なファイナンス (Sustainable Finance)|用語集・意味

  6. コンプライアンス市場 (Compliance Carbon Market)|用語集・意味

  7. Verra(ヴェラ/ベラ)とは|用語集・意味

  8. ICE グローバル・カーボン・インデックスとは(Global Carbon Index)

  9. カーボンニュートラルとは|用語集・意味

  10. 森林再生 (Afforestation/Reforestation, A/R)|用語集・意味

  11. ベースライン (Baseline)|用語集・意味

  12. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  1. 温室効果ガス (Greenhouse Gas, GHG)|用語集・意味

  2. 持続可能なファイナンス (Sustainable Finance)|用語集・意味

  3. 森林再生 (Afforestation/Reforestation, A/R)|用語集・意味

  4. 脱炭素への取り組みを評価する世界基準となる「ACT」=低炭素移行評価の導入を支援する企業が、福岡市に設立されました。

  5. カーボンニュートラルとは|用語集・意味

  6. 【脱炭素】ディズニーも施策を加速中

  7. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  8. グリーントランスフォーメーション(GX)|用語集・意味

  9. カーボンレジストリ (Carbon Registry)|用語集・意味

  10. カーボンクレジット市場の包括ガイド~基本概念から投資戦略まで~

  11. 温室効果ガスとは|用語集・意味

  12. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。