JPEA、自然破壊に警鐘 太陽光発電開発のあり方に関するガイド公開

太陽光発電協会(JPEA/東京都港区)は11月11日、太陽光発電の健全な普及を目指し、事業者に向けた開発時の注意点をまとめたガイドを公開した。同指南書は、地域との共生や自然環境への配慮を強調した内容となっている。

生物多様性や地域への配慮が不足した開発事例増加

自然や生物多様性を脅かす開発事例が増えている。

同協会は、2050年カーボンニュートラル達成に向け、太陽光発電の主力電源化を目指している。同電源開発では、地域との共生を重視し、エネルギーの安定供給や脱炭素化、経済の好循環を促進することが求められるが、近年は、自然環境や生物多様性への配慮が欠けた事例が増加。こうした事態に対する懸念が強まっている。

今回提示したガイドでは、法令遵守の徹底や地域住民との信頼関係構築など事業者による責任ある行動と望ましい取り組みが示されている。

新規開発案件への対応
新規開発では、地域との良好なコミュニケーションを重視し、地域住民の声を尊重する姿勢が不可欠である。そのため、事業者は、環境影響評価を行い、自然環境や生態系への配慮を徹底するよう呼びかけている。また、荒廃農地や耕作放棄地を通じた、地域経済への貢献の重要性も訴えている。

稼働済み案件への取り組み
稼働済みの太陽光発電設備に関しては、地域との共生に問題を抱える案件が存在する。

同協会では「地域共創エネルギー推進委員会」を設立し、既存設備の自主保安や施工不良の是正を進めている。このほか、事業者と地域との共生促進に向けては、優良な事業者の好事例共有などにより、改善策策定や検討を後押しする。

使用済み太陽電池の適正処理
太陽光発電開発では、2030年代半ば以降に耐用年数が約20~30年を迎える太陽光パネルの大量排出が想定されている。廃棄にあたっては、法令遵守とサーキュラーエコノミー推進が必須となる。同協会では、リユースやリサイクルを含む適正処理の実現を目指し、すべてのステークホルダーが関与する持続可能な仕組みの構築に取り組んでいる。

地域との共生・共創の実現に必要な要素
地域共生の実現には、適切な維持管理や再投資が欠かせない。地域のニーズに応じた事業譲渡や集約化を進め、透明で健全な市場環境の構築を図ることや、地域内での収益確保やコスト効率的な事業運営、O&M事業の集約化、蓄電池併設が推奨される。

「呼びかけに終わらず、具体的な実践を促す」

同協会は9月29日に、地域との共生・自然環境配慮を基本とした太陽光発電の健全な普及を目指して 「業界団体としての自主的な行動理念・行動原則 」を公表。太陽光発電開発における事業者の行動規範を示した。

この業界団体としての自主的な行動理念・行動原則がかけ声に終わることなく、具体的な取り組みに結びつけるため、2022年8月に公表した意見表明を改訂。今回「事業者による責任ある行動と望ましい取り組み」として公開した。

同協会は引き続き、関係各者と連携し、社会受容性の向上と確立に向けて取り組みを強化していく。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/48c2e3a5-3a94-429e-b7e4-49c1474a4076

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. BCGエコ、ベトナムの炭素クレジット市場強化に向け国際協力を開始

  2. 環境省、行動変容でネイチャーポジティブ経済実現へ WGで公開討論

  3. アサヒ飲料、「CO2を食べる自販機」をコープデリに導入 51台を順次設置

  4. 環境省、26団体の地域SDGs事業創出を支援 地域循環共生圏づくり構築へ

  5. 環境省、テナントビル脱炭素化推進でロゴマーク作成 行動方針説明会も開催

  6. TikTokとTwo DriftersがClimeworksと長期CDR契約を締結

  7. 環境省、ネイチャーポジティブ経済移行へ 2030年に向けた戦略マップ策定

  8. 三菱重工系、東京都大田区の汚泥焼却所に「カーボンマイナス焼却炉」初導入

  9. 国交省、SAF利用による国際航空CO2排出削減をICAOに報告 世界初

  10. サウジアラビア、脱炭素化と経済多様化を推進するため炭素クレジット取引所を設立

  11. 米国農務省が国産肥料生産のために6つのバイオ炭プロジェクトに1億2000万ドルを授与

  12. 世界銀行、24年度の気候変動融資は過去最高の426億ドル

  1. 再生可能エネルギー証書(REC)とは|用語集・意味

  2. カーボンクレジット市場の包括ガイド~基本概念から投資戦略まで~

  3. 生物炭 (Biochar)|用語集・意味

  4. 削減プロジェクト (Reduction Project)|用語集・意味

  5. 土地利用変化とは|用語集・意味

  6. 排出削減単位 (Emission Reduction Unit, ERU)|用語集・意味

  7. バイオマスとは|用語集・意味

  8. カーボンファーミングとは|用語集・意味

  9. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  10. カーボンプライシングとは|用語集・意味

  11. カーボンニュートラル (Carbon Neutral)|用語集・意味

  12. 【政府】2040年に向け脱炭素化など国家戦略策定へ

  1. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  2. グリーンエネルギー (Green Energy)|用語集・意味

  3. 地球温暖化防止 (Climate Mitigation)|用語集・意味

  4. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  5. コンプライアンス市場 (Compliance Carbon Market)|用語集・意味

  6. バイオマスとは|用語集・意味

  7. 脱炭素社会実現へ、公明がポイント還元制度など首相に提言

  8. 温室効果ガス (Greenhouse Gas, GHG)|用語集・意味

  9. CCUSとは(Carbon Capture Utilization and Storage)二酸化炭素回収・利用・貯留|用語集・意味

  10. 持続可能なファイナンス (Sustainable Finance)|用語集・意味

  11. 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とは|用語集・意味

  12. カーボンプライシング (Carbon Pricing)|用語集・意味