自由民主党および日本維新の会は12月19日、2026年度の与党税制改正大綱を公表した。 これを受け、環境省は同月22日、環境省関係の税制改正の概要を発表した。環境分野では、税制全体のグリーン化を進める方針が示され、自動関連税制では、自動車取得時に燃費性能に応じて課税される「環境性能割」が廃止されることとなった。
「環境性能割」は、2026年3月末で廃止

(出所:自由民主党)
2025年2月18日に閣議決定された「地球温暖化対策計画」や、同日に国連気候変動枠組条約事務局に提出した新たな削減目標(NDC)においては、2050年ネット・ゼロの実現に向け、「2013年度比で2035年度60%減、2040年度73%減」という目標が設定されている。
環境省は、これらの達成に向けて、税制全体を環境配慮型(グリーン化)にシフトさせるとし、税制全体のグリーン化に向けては、自動車環境対策と地球温暖化対策を軸に進める。
自動車環境対策では、当初2年間の凍結が検討されていた環境性能割は、2026年3月末で廃止となる。エコカー減税は、減免区分の基準となる燃費基準の達成度を引き上げた上で2年延長されるが、EVなど次世代自動車の普及状況などを踏まえ、ガソリン車などの燃費基準や対象範囲が段階的に厳格化する。国民の負担軽減を図りつつ、環境性能に優れた車両へのシフトを税制面から後押しする方針だ。
リサイクルや再エネ施設、GX志向型住宅に特例措置
地球温暖化対策におけるグリーン化では、2012年に施行した「地球温暖化対策のための税」を着実に実施。省エネ対策や再エネ普及、化石燃料のクリーン化・効率化などエネルギー起源のCO2排出削減策に注力する。個別の緩和措置は以下の通り。
サーキュラーエコノミー
- 「公共の危害防止のために設置された施設又は設備(廃棄物処理施設、汚水・廃液処理施設)に係る課税標準の特例措置」(固定資産税の枠組み、以下同)→2年間延長
脱炭素社会実現に向けたアプローチ
- 「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置」(固定資産税) →3年間延長(また以下の拡充も実施される)
- 太陽光発電設備:ペロブスカイト太陽電池に限り、軽減率引き上げ
- 風力発電設備:再エネ海域利用法・地球温暖化対策推進法(地域脱炭素化促進事業制度)などに基づき設置される一部の設備は軽減率引き上げ
住宅の脱炭素化
- 「住宅ローン減税に係る所要の措置」(所得税・個人住民税)→5年延長(併せて、新築住宅における立地要件追加、既存住宅における借入限度額と控除期間を見直し)
- 「認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除」(所得税) →3年間延長(立地要件を追加)
- 「認定長期優良住宅に係る特例措置」(固定資産税)→5年間延長(特例対象となる住宅の床面積要件の下限は原則、40m2(現行50m2)に緩和し立地要件を追加)
- 「認定長期優良住宅に係る特例措置」(不動産取得税)→5年間延長(特例対象となる住宅の床面積要件の下限は同上)
- 「既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応リフォームに係る特例措置」(所得税)→3年間延長(特例対象となる住宅の床面積要件の下限は、40m2(現行50m2)に緩和)
- 「既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置」(固定資産税)→5年間延長(特例対象となる住宅の床面積要件の下限は同上)
このほか、戦略技術領域に対する研究開発投資の拡大を目的に、イノベーション立地競争環境確保のためのインセンティブ強化を図る。具体的には、「試験研究を行った場合の法人税額等の特別控除」(所得税、法人税、法人住民税)を3年間延長する。
これと併せ、一般型と別枠で戦略技術領域型(控除率は最大40%)を創設し、繰越控除制度(3年間)を導入するほか、中小企業向け研究開発税制に繰越控除制度(3年間)も設ける。
【参考】
環境省―令和8年度環境省関係税制改正について
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/21ced657-e98e-4956-a804-a932a39187eb