キグナス石油(東京都千代田区)は5月21日、J-クレジットを活用したカーボンオフセット燃料の実証事業を開始したと発表した。同社が供給する軽油にカーボン・クレジットを付加し、使用時に排出されるCO2を相殺する方法で実証する。実用化を見据えた技術・運用面での検証を進め、工場や物流企業など、燃料油を使用する法人向けに販売を検討していく。
キグナス向け配送業務でのCO2排出量を相殺して実証
実証では、名誠組(愛知県飛島村)にカーボンオフセット燃料を供給する。これにより、名誠組はキグナス向け配送業務で使用するローリー車のCO2排出量を100%相殺する。
オフセットにはJ-クレジットを活用し、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン(東京都千代田区)による第三者保証を取得済みだ。実証期間は2025年4月~9月、終了後にオフセットの総量など詳細を公表予定。

今回の実証フロー図(出所:キグナス石油)
海外ボランタリークレジットを活用した商品設計や新たな付帯サービスも検討
同社は、2030 年度までにScope1・2の温室効果ガスを2019 年度比で30%を削減し、2050 年度にはカーボンニュートラルの達成を目標に掲げている。
今回の実証成果をもとに、カーボンオフセット燃料の本格展開を検討する方針。特に、製造業や運送業といった燃料需要が多い業種を対象に、具体的な販売の可能性を探っていく。
また、海外ボランタリークレジットを活用した商品設計や新たな付帯サービスの可能性も探るなど、将来的には、多様なニーズに応える包括的なエネルギー供給の実現を目指すとしている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/f8755827-4a78-4ac8-b912-bab34c90b74f