エコグリーンホールディングス(東京都中央区)のグループ会社であるEGForest(千葉県富里市)は8月21日、早生樹であるユーカリを造林樹種とした「森林経営計画」について農林水産大臣の認定を受けたことを発表した。千葉県内の社有林約160ヘクタールを対象に、病害で荒廃したスギ林を再生し、持続可能な木材供給体制を構築する。森林を軸とした地域課題の解決と経済循環への貢献を目指す。
国内初、ユーカリでの森林経営計画が始動
本計画は、同社が管理する千葉県内などの社有林約160ヘクタールにおいて、間伐・主伐・再造林・育林といった一連の森林施業を計画的に行うもの。再生可能な資源である木材の持続的供給を目指し、長期的な森林資源の循環利用体制を構築する。
「森林経営計画」とは、森林法に基づき森林所有者が作成する5年間の森林施業計画。都道府県や国から認定を受けることで、各種支援制度の活用が可能となり、持続可能な森林経営を推進できる。今回の計画は7月17日付で認定された。
地域の森林課題を解決する新たな一手
計画の中心地となる千葉県では、広範囲のスギ林が「溝腐病(みぞぐされびょう)」に蔓延し、多くが建築用材として利用できない状態にある。また、近年の自然災害では、強風による倒木被害も深刻化している。
こうした状況下で、被害林を伐採し、成長が早く気象害や病害にも強いユーカリへ再造林することは、地域の森林が抱える課題解決の有効な手段となる。同社は本計画の実行を通じて、健全な森づくりと災害に強い地域づくりに貢献していく方針だ。ユーカリでの認定は国内初の事例となる。
NEDO事業とも連携し、持続可能な社会へ
同社グループは、経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「ユーカリを活用した、エネルギーの森づくり実証事業」でも2期連続で採択を受け、1期目実績として40ヘクタール、今回採択の2期目(3年間)で16ヘクタールの計56ヘクタールに及ぶ森づくりを進めている。
今回の森林経営計画認定とNEDO事業を両輪とし、ユーカリを中心とした木材生産を本格化させる。これにより、森林を軸とした地域経済への貢献とレジリエントな地域づくりを加速させ、持続可能な社会の実現を目指す。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/0ebcec33-676b-403e-a292-989d313c5fb6