両備システムズ(岡山県岡山市)は3月6日、バングラデシュにおいて、農業の効率化および生産性向上に資するAWD農法を浸透させる目的で実証事業を開始したと発表した。約3900haの農地で、農業プロセスに関するデータやメタンガスの量を計測する。期間は2月から12月末までの約11カ月間。
現地の大学やマイクロファイナンス機関とも連携
具体的には実証を通じて以下について検証する。
- 農業プロセスデータによる収穫量向上の可能性と試験農家のモチベーション把握
- メタンガス測定による作付期ごとのAWD効果測定
- カーボンクレジット創出に必要なデータの整理
AWD農法の実践・普及のため、バングラデシュ向け事業支援を展開するアジクル(神奈川県横浜市)および現地マイクロファイナンス機関のANTAR Society for Development(ANTAR)と連携し、営農指導員が支援を行う。また、農業データプラットフォームを展開し、実践データを計測・分析していくことで農業のDX・GX化を目指す。メタンガスの計測は現地研究機関であるダッカ大学と連携し、カーボンクレジット創出に向けたデータ検証を行う。

運用体制(出所:両備システムズ)
バングラデシュの農業をDX・GXで効率化、メタン削減で約0.1兆円相当の経済効果
AWD農法は、水管理技術を用いた稲作農法。水田での稲の成育途中に田に水を満たした状態と、水を落として干した状態とを数日おきに繰り返す手法により、土壌からのメタン発生量を低減させ、約35%の温室効果ガス(GHG)削減効果が見込まれる。節水および稲作の収穫量増加にも寄与する農法とされる。
バングラデシュの稲作によるGHG削減効果は約3490万トンと見込まれ、カーボンクレジット創出量にして約1047億円相当の経済価値を生み出す可能性があるとされる。
また、同国の稲作生産量は世界第3位で、稲作に適した気候や土壌などに恵まれており1年に3回の稲作周期がある。しかし、効率化や生産性、農家の収入などの課題があり、これらの解決に資する技術支援や農機具支援、農業従事者に収益を還元する仕組み構築などが必要だという。
これらを踏まえ、同社は2024年3月から小規模な調査事業を開始し、有用性を判断したため、今回の実証事業を開始するに至った。
なお同事業は経済産業省の2023年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択された事業で、今後エリアを順次拡大していく予定。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/44288bca-8a35-4ef8-9069-465285fe9e3b