屋根一体型太陽光パネルの設置事業などを手掛けるモノクローム(東京都中央区)は6月26日、祇園祭(会期:2025年7月1日〜31日)において、重要文化財の脱炭素化に取り組むと発表した。長刀鉾(なぎなたほこ)保存会が管理する長刀鉾の提灯屋台に、屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」を設置し、昼間の太陽光をためた電力を使って夜の提灯屋台の献灯に明かりを灯す。
祇園祭宵山の期間中、全ての提灯屋台の献灯を再エネに
蓄電と発電ができる設備により、祇園祭宵山(前祭)の期間中全ての点灯を再生可能エネルギーで行うことができる。提灯屋台の献灯の点灯は、7月13日から16日(17時〜23時)の予定で、これに使用する電力消費量は1日あたり1.8kWh。
提灯屋台に付属する蓄電池の容量は4.6kWh、また屋根に設置する太陽光パネルによる1日の発電量は1.5kWh。

提灯屋台の屋根に施工された屋根一体型太陽光パネル(出所:モノクローム)
蓄電と発電ができるRoof-1、見た目は「普通の屋根」
同社の屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」は、金属屋根に特殊加工した太陽光セルを組み込み、一見すると普通の屋根に見えるデザインだ。また、一般的な住居用太陽光パネルは屋根、架台、太陽光パネルを設置するが、屋根だけの設置となるため一度で施工完了する。耐候性の高いフッ素塗膜が塗布されており、30年間メンテナンス不要という特長がある。

住宅に屋根として設置されている屋根一体型太陽光パネルRoof–1(出所:モノクローム)
無形文化財「祇園祭」の脱炭素化を目指すプロジェクト始動
今回の取り組みは、モノクロームが、小売電気事業者のテラエナジー (京都府京都市)の主導する京都の「重要文化財の脱炭素化」プロジェクトに参画し行うもの。
京都市は国に選定された「脱炭素先行地域」として、2023年から市内の文化遺産の脱炭素化を進めている。テラエナジーは、同年4月に同市と連携協定を締結し進める「寺社仏閣の脱炭素化プロジェクト」において、市内の寺社仏閣などに、景観に配慮した太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた発電設備を設置し、再エネ導入を進めている。
この一環として新たに始動した「重要文化財の脱炭素化」プロジェクトでは、「祇園祭」という無形文化財の脱炭素化に取り組む。長い歴史と伝統を守ってきた保存会と協働し、有形文化財である「長刀鉾」の脱炭素化を図る取り組みだ。今後も毎年の祇園祭で継続していく予定だ。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/5ac8ba31-d659-4839-b7d8-5fe84e738ced