日本ガス協会が新ビジョン、e-メタンや「天然ガス+CCUS」などでCN化

日本ガス協会(東京都港区)は6月3日、2050年に向けて都市ガス業界が目指す「ガスビジョン2050」と、その実現のため2030年までに実践する具体的な取り組みを示した「アクションプラン2030」を公表した。脱炭素社会の実現とエネルギーの安定供給を両立させる構想で、e-メタンの活用や災害対応強化など、3つのビジョンと4つのアクションで、カーボンニュートラル化を目指す。

2050年の非化石燃料比率は50~90%程度に

3つのビジョンのうちの1つである「ガスのカーボンニュートラル化」では、ガス供給の50%~90%をe-メタンやバイオガスなどにより供給、10%~50%を天然ガスとCCUS・クレジットオフセットなどを組み合わて供給、数%程度は水素を直接供給することで、2050年にカーボンニュートラル化を実現させるとした。

また、革新技術の動向や世界のエネルギー情勢も踏まえて新技術を取り入れ、その時々の最適な手段を用いて2050年にガスのカーボンニュートラル化の実現を目指す。

具体的には、e-メタンやバイオガスを海外から輸入、地産地消型の製造、環境価値移転により供給する。天然ガスは、CCUS(CO2回収・貯留・有効利用)や、森林吸収・DACCS(回収・貯留)・BECCS(バイオ・貯留)といった大気中のCO2を回収し貯留・固定化するネガティブエミッション技術(NETs)、J-クレジットなどによるオフセットと組み合わせて供給する。また、数%程度は、水素をインフラ整備が可能な沿岸部などにおいて直接供給する。

「ガスビジョン2050」のうちビジョン3で掲げる「2050年 ガスのCN化の姿」(出所:日本ガス協会)

「ガスビジョン2050」のうちビジョン3で掲げる「2050年 ガスのCN化の姿」(出所:日本ガス協会)

多様なソリューションを提供へ

このほかビジョンには、災害時に事業活動・生活の維持に貢献する強靭なエネルギーインフラの構築を掲げ、耐震化率100%を目指し、震度7の地震でも供給継続を実現を目指すほか、LNGの安定調達とエネルギーの多様化によるエネルギーの安定調達で、エネルギーセキュリティを向上させることも盛り込んだ。

また、顧客に選ばれ続けるソリューションの提供にも力を入れていく。ガスシステムの高効率化に加え、コージェネ・再エネ・蓄電池などの多様なエネルギーリソースとAIやDXを活用した高度な制御技術によりエネルギーシステム全体の進化を図る。さらにe-メタンなどのカーボンニュートラルなガスの調達、カーボンリサイクル関連技術や地産地消エネルギーなどを提供していく。e-メタンなどのカーボンニュートラルなガスを経済的・安定的に供給するため、革新的イノベーションへの挑戦と既存インフラ・設備の最大限活用に取り組む。

環境変化を踏まえ、新たなビジョンを提示

昨今、地球温暖化とカーボンニュートラル、自然災害の激甚化など、都市ガス業界を取り巻く環境は激しく変化している。また、第7次エネルギー基本計画等のエネルギー政策においては、天然ガスが「カーボンニュートラル実現後も重要なエネルギー」として位置づけられ、e-メタンも「次世代エネルギー」や「カーボンニュートラル化の鍵となるエネルギー」として位置づけられた。

日本ガス協会は、こうした環境変化を踏まえ、「ガスビジョン2050」と「アクションプラン2030」を策定した。

「アクションプラン2030」と「ガスビジョン2050」(出所:日本ガス協会)

「アクションプラン2030」と「ガスビジョン2050」(出所:日本ガス協会)

「アクションプラン2030」の概要

「アクションプラン2030」では、停電対応型ガス機器の普及拡大など安全・安心・安定的なエネルギーの供給、e-メタンを中心としたカーボンニュートラル化の加速、省エネ・天然ガスシフト・ソリューションの提案、イノベーションの推進、の4つのアクションを示している。

カーボンニュートラル化に向けては、e-メタンの大規模製造の実現や海外サプライチェーンの構築、国際的なCO2カウントルールにおける位置づけの確保により、2030年度のe-メタンやバイオガスの1%供給を目指す。また、全国での利用に向けた環境価値移転の仕組み構築を目指す。

省エネ・天然ガスシフト・ソリューションでは、天然ガスへの燃料転換や、高効率給湯器やガス空調をはじめ、コージェネや燃料電池などのガスシステムの活用と再エネを組み合わせた ZEB・ZEHの普及拡大を通じて、CO2排出量の抑制に貢献する。また、顧客や地域のニーズに合わせたソリューションの提供、カーボン・オフセット都市ガスの普及拡大、地方自治体と連携した地方創生に取り組む。

イノベーションの推進では、将来のカーボンニュートラル化に向け、革新的メタネーションによる高効率化と設備コストの低減・コンパクト化を目指すとともに、関連技術である水素製造、CO2分離回収や、水素利用技術、CCUS技術等、幅広い技術の開発に取り組む。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/96c8e705-6b71-4e78-9276-fa26d684eb3d

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