旭川・花巻・静岡の3空港、2050年脱炭素化計画 国交省が認定

国土交通省は12月10日、旭川・花巻・静岡の3空港から申請のあった空港脱炭素化推進計画を認定した。3空港はいずれも2050年のカーボンニュートラル実現を目標としており、照明のLED化や車両の電気自動車(EV)化、再エネ導入を実施し、空港の脱炭素化を推進する。

旭川空港脱炭素化推進計画の概要

旭川空港のGHG排出量(2019年)は、空港施設・車両を合わせて年間3711トンに上る。GHGの削減目標として、2030年度に2013年度比48.0%削減、2050年度のカーボンニュートラル実現を掲げた。

主な取り組みとして、2030年度に向けて、ターミナルビルなどの照明LED化や空調設備の高効率化による省エネ、航空灯火のLED化、太陽光発電による再生可能エネルギーの導入に取り組む。2050年度に向けては、太陽光発電設備の拡充・蓄電池の導入、空港車両のEV化・FCV化・バイオ燃料利用を検討する。

このほか、吸収源対策として、再エネ設備設置に適さない空港未利用地などへの植林、植栽形成を検討する。また、事務所内の節電,空港内の徒歩・自転車移動の促進、ペーパーレス化の促進を継続するほか、各事業者が連携して紙廃棄物のリサイクルを推進するなど、環境負荷削減に努める。

旭川空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

旭川空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

花巻空港脱炭素化推進計画の概要

花巻空港のGHG排出量の現状(2019年)は、空港施設・車両をあわせて年間1345トン。GHGの削減目標として、2030年度に2013年度比60%削減、2050年度のカーボンニュートラル実現を掲げた。

主な取り組みとして、2030年度に向けて、空港建築施設の省エネ化、航空灯火のLED化、再生可能エネルギー電力利用の推進に取り組む。2050年度に向けては、空港建築施設の更なる省エネ化、空港車両のEV・FCV化など、太陽光発電設備などの導入に取り組む。太陽光発電設備などの導入について、災害時に空港周辺地域に供給するなどの取り組みを検討する。

花巻空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

花巻空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

富士山静岡空港脱炭素化推進計画の概要

富士山静岡空港のGHG排出量の現状(2019年)は、空港施設・車両をあわせて年間2222トン。GHGの削減目標として、2030年度に2013年度比46.6%削減、2050年度のカーボンニュートラル実現を掲げた。

主な取り組みとして、2030年度に向けて、ターミナルビル・庁舎などにおいては日射抑制(遮熱フィルム・Low-Eガラス)、高効率熱源(モジュールチラー)への更新、照明のLED化などに取り組む。また、航空灯火のLED化、空港南側用地・駐車場への太陽光発電設備の導入、空港車両の更新時期に合わせEV化に取り組む。2050年度に向けては、太陽光発電設備の拡充と蓄電池の導入を検討する。

このほか、周囲部の林地において、下刈り、除伐、間伐(間伐材の利活用)、高齢 樹木の再造林などの適正な整備に取り組むことにより、CO2排出量の削減を図る。また、調節池などの維持工事において、再生砕石や再生アスファルト合材などの再生土木資材を積極的な活用、ICT施工の実施に取り組む。

富士山静岡空港においては、鈴与商事(静岡県静岡市)と東急(東京都渋谷区)が10月、脱炭素化支援を目的に、オンサイトPPAを活用した太陽光発電設備を導入することを発表している。

富士山静岡空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

富士山静岡空港の取り組みの内容と実施箇所(出所:国土交通省)

空港脱炭素化に向けて、国による整備進む

国は、2020年6月に航空法・空港法などを改正し、各空港の管理者が空港と一体となって、具体的な目標や取り組み内容などを定めた空港脱炭素化推進計画を作成する制度を創設した。

国交省は、2022年12月に「空港脱炭素化推進のための計画策定ガイドラインン(第二版)」を公表。第2版では、航空脱炭素化推進基本方針を踏まえ、空港脱炭素化推進計画の認定、航空法・国有財産法の特例を受ける場合の手続きなどを記載した。

空港脱炭素化推進事業の実施主体が空港内や空港周辺に太陽光発電設備などを設置する場合、行政財産(土地・建物など)を借用(30年以内)して事業を実施することができる。

10月9日には、女満別・中標津・ 紋別・利尻・奥尻の北海道内5空港の脱炭素推進計画を認定した。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/ffebd69e-8d77-4a41-a885-f72ea765840e

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. CCS事業法の試掘規定、11月18日施行 環境省は自然環境保全法等を改正

  2. 再エネ導入により循環経済と脱炭素化を同時に実現へ 日立の新事業が本格始動

  3. 大気からCO2を直接回収・活用 双日ら、都市実装に向け実証を開始

  4. ラコニックとボリビア、50億ドルの国家炭素取引で新たなベンチマークを設定

  5. 東急不動産など、藻場保全でJブルークレジット創出へ 勝浦市で協議会設置

  6. サステナクラフト、2023年のボランタリーカーボンクレジット市場動向レポートを公開

  7. 横須賀市、藻場の再生面積拡大 Jブルークレジットの購入申込者を公募開始

  8. 出光興産、燃料輸送車にCO2オフセット燃料を初導入 スコープ3削減に焦点

  9. 中部電力とエネチェンジ、EV充電事業の合弁会社設立 3月事業開始

  10. 東京海上アセットマネジメントとサステナクラフト、生物多様性クレジット創出の共同研究を開始

  11. COP29: クローバーリーパートナーシップが中東プロジェクトに世界炭素市場へのアクセスを解放

  12. TOPPANとOOYOO、「CO2分離膜」量産化技術開発 実証開始

  1. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  2. カーボンニュートラル (Carbon Neutral)|用語集・意味

  3. 削減ポテンシャル (Reduction Potential)|用語集・意味

  4. キャップ・アンド・トレード (Cap-and-Trade)|用語集・意味

  5. 削減プロジェクト (Reduction Project)|用語集・意味

  6. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  7. ゴールドスタンダード認証温室効果ガス削減プロジェクト(Gold Standard Voluntary Emission Reduction, GS VER)|用語集・意味

  8. 炭素隔離 (Carbon Sequestration)|用語集・意味

  9. 温室効果ガスとは|用語集・意味

  10. 天然ガスを原料に1日1.7トンの水素を製造可能 カーボンニュートラル実現に向けて製造プラントが完成

  11. “現代のゴールドラッシュ”とも言われる動きを取材しました。また、日本では、空気中の二酸化炭素を取り除く技術の開発が始まっています。

  12. カーボンリムーバル(Carbon Removal)|用語集・意味

  1. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  2. 再生可能エネルギー証書(REC)とは|用語集・意味

  3. ボランタリークレジットマーケット(VCM)とは|用語集・意味

  4. 削減クレジット (Reduction Credit)|用語集・意味

  5. 炭素回収・貯留 (Carbon Capture and Storage, CCS)|用語集・意味

  6. 来月、閉鎖されるENEOSの和歌山製油所の跡地が、脱炭素社会のモデル地区として再整備されることになりました。

  7. 京都議定書|用語集・意味

  8. キャップ・アンド・トレード (Cap-and-Trade)|用語集・意味

  9. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  10. カーボンファイナンス (Carbon Finance)|用語集・意味

  11. オフセットクレジット (Offset Credit)|用語集・意味

  12. バイオマスとは|用語集・意味