環境省は6月18日から、神奈川県横浜市の「はまぎんこども宇宙科学館」で、GHG濃度を可視化する「GOSAT(ゴーサット) 3Dビジュアライザー」を初展示する。この機器は、GHG観測技術衛星「GOSAT」のデータを基に、大気中のCO2やメタンなどの濃度分布を立体的かつインタラクティブに可視化できる。
確認したい地域や国のGHG分布状況が画面上で確認できる
「GOSAT 3Dビジュアライザー」は、地表付近の大気のCO2とメタンの濃度の変動や経時的な変化および主要都市別のグラフを表示。衛星の軌道や機体の形状が立体表示され、地球全体の気候システムをリアルに体感できる。来場者はトラックボールを操作し、確認したい地域や都市を選択することで、GOSATが捉えたGHGの分布や経年変化を3Dで見られる。
公開は2026年3月31日までの予定だが、ほかの科学館での展示も検討中だ。
GOSATによる観測の意義とその特徴
「GOSAT 3Dビジュアライザー」は、気候変動COP29のジャパンパビリオンでの展示や大阪・関西万博での利用を想定し、衛星データプラットフォームTellusから公開されているデータを活用して、バスキュール(東京都港区)が開発した。
世界気象機関(WMO)などは、これまで地上の観測点から得たデータによる全球平均濃度を発表しているが、CO2は高度によって濃度差があるため、地上観測点だけでは大気全体の濃度を正確に把握することは難しい。GOSATは地表から大気上端までのCO2の総量を観測できるところに利点がある。なお6月24日には、GOSATシリーズの3号機の打上げが予定されている。

COP29でも展示された「GOSAT 3Dビジュアライザー」(出所:環境省)
【参考】
環境省―温室効果ガス濃度が見えるGOSAT 3Dビジュアライザーを「はまぎん こども宇宙科学館」に展示します
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/c4c566f6-a39e-4d89-836f-4295cee5c47c