環境省は2月25日、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動「デコ活」の一環として、有志の企業などと連携し、生活者の様々な脱炭素に資する行動のCO2排出削減効果を算定した結果をまとめた「デコ活データベース」を公開した。
環境に良い行動とその効果を知る「ものさし」として、企業などにおいて、消費者・生活者の脱炭素行動を促進するための仕組みやサービス開発などに活用できる。
約100の行動におけるCO2排出削減効果の参考値
このデータベースでは、衣食住・職・移動・買物の分野において、算定を行った脱炭素に資する約100の行動をまとめ、CO2排出削減効果の参考値を算定している。
例えば、「エアコンの使用時間を減らす」は1時間あたり0.092kgのCO2削減、「宅配便を1回目の配送で受け取る」は1回あたり0.18kgCO2削減、「国産食材を食べる」は1食あたり0.017kgのCO2削減。生活者が日々行う脱炭素に資する行動に応じたCO2削減効果について、一定の仮定を置き参照となる値を算定することで、脱炭素に資する行動とそのCO2排出削減効果の参考値をまとめている。
CO2削減効果の参照となる値は、環境省と経済産業省が作成した「カーボンフットプリントガイドライン」などを参照し、各種の行動ごとに、脱炭素に資する行動を行った場合と、行わなかった場合(=従来型の行動)の排出量の差分の考え方から算定を行った。今後、算定値は必要に応じて更新する。
このデータベースは、環境に良い行動とその効果を知り、どれくらいエコだったのか集計するための「ものさし」として利用できる。今後、企業などにおいて、消費者・生活者の脱炭素に資する行動を促進するための仕組み作りやサービス開発などに、広く活用してもらうことを狙う。
なお、川崎市と富士通(神奈川県川崎市)、ANA X(東京都中央区)、東芝データ(同・港区)の4者は、同データベースを活用し、スマホアプリを使ったCO2削減量を可視化する実証実験を2月27日から3月28日まで実施している。

デコ活データベースの利用イメージ(出所:環境省)
デコ活データベースの公開について
作成したデコ活データベースなどの成果物(デコ活データベース(Excel)、デコ活データベース算定の考え方(PDF)、デコ活データベースの利用イメージ(PDF))は、デコ活と全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)のウェブサイトで公開している。
CO2排出量を見える化、インセンティブ付与へ
環境省は、脱炭素に向けて、国民の行動変容・ライフスタイル転換を図るために必要な方策・道筋を示した「くらしの10年ロードマップ」を2024年2月に策定した。この「基盤」テーマにおいては、「製品やサービス購入に伴うCO2排出量の見える化と、排出削減量に応じたインセンティブ付与が一般化」していることをゴールとして設定している。
「デコ活データベース」は、このゴールの実現に向け、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動「デコ活」の一環として実施するプロジェクト「The POSITIVE ACTION Initiative(PAI)」において作成した。
インセンティブ設計の在り方やルール整備を議論
プロジェクト「PAI」は、省エネ家電、LED照明、テレワークなどを選ぶなど、様々な脱炭素につながるアクションを促進し、環境貢献に応じて、様々な企業・団体・自治体などが考えるインセンティブを生活者が受け取れる仕組みづくりを目指して、2024年5月に始動した。具体的には、以下の項目について共同で検証を行うこととしている。
- CO2可視化に係るデータベース(ルール・標準)の策定
- データベースを活用した社会実装
- インセンティブに係るルール・標準の設計
PAIでは、今後、生活者の脱炭素行動を促進するためのインセンティブ設計の在り方(価値化につながる可視化)、望ましいルール整備や各社のサービスなどへのデコ活データベースの活用に向けた議論を進めていく。また、脱炭素に資する行動の機運の醸成に留まらず、各社の持つ消費者・生活者との接点やセンシングなどの技術を活用した削減についても検討する。
PAIには、環境省、ボストン・コンサルティング・グループ合同会社(デコ活応援団事務局)のほか、NTTドコモ(東京都千代田区)、KDDI(同)、パナソニックホールディングス(大阪市門真市)などの企業・団体10者が参画する。同省は今後、各者と連携し、取り組みの認知拡大を図る。
【参考】
・環境省―「デコ活」の下のプロジェクトである「The POSITIVE ACTION Initiative」において、有志の企業等と連携し、生活者の様々な脱炭素に資する行動のCO₂排出削減効果のデータベース、「デコ活データベース」を作成しました!
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/de794232-6c3c-4f96-bab6-47d2574424fa