神奈川県は2024年12月25日、脱炭素に関する優れた取り組みを行った個人や事業者、学校などの功績を表彰する第1回「かながわ脱炭素大賞」について、5部門と知事特別賞の計26者を受賞者として決定した。2025年1月11日に新都市ホール(神奈川県横浜市)で開催される「かながわ脱炭素アクションフォーラム~若者世代が拓くカーボンニュートラルの未来~」にて表彰式を実施する。
ユース未来部門など5つの部門
普及・促進部門では、太陽光パネル下の農地をブルーベリーの体験農園として開放する、さがみこファームや、メタン発酵技術を用いた食品リサイクルと環境教育などに取り組む、Jバイオフードリサイクルなど8者でが受賞した。
事業活動温暖化対策計画書制度部門は、再エネの導入やZEB技術の活用など、事業活動に伴う温室効果ガスの削減に取り組む、三菱電機が受賞した。
建築物・特定開発事業温暖化対策計画書制度部門は4者が受賞した。このうち、関東化学は、生命科学研究所新棟の建設において、高効率空調設備や照明の自動制御などにより省エネを推進する。
先進技術・導入部門では、遮熱と断熱の効果を合わせ持つ塗料を販売・施工するマクニカや、CO2吸収材「レコライム」を搭載した世界最小クラスのCO2回収装置を開発・販売するレブセルなど9者が受賞した。
30歳未満の個人や学校などを対象とした、ユース未来部門では3者が受賞した。このうち、みなとみらい本町小学校では、持続可能な開発のための教育(ESD)として、児童が学校給食での廃棄野菜などを使ったクレヨンづくりを行うなど、地域や企業などとも連携した取り組みを実施している。
知事特別賞はふきたろう氏が受賞
知事特別賞は、高校在学時にオンライン署名により、全県立高校への再生可能エネルギー由来の電力導入を後押しした、ふきたろう氏が受賞した。ふきたろう氏は、このハンドルネームで、県立高校の生徒であった2021年に、「県内の全県立高校で使う電力を再エネ由来に変える」ことを目指し、インターネットで署名活動を行い、同年8月、23,253人分のオンライン署名を知事へ提出した。これが端緒となり、2023年度には県内の全県立高校で再エネ由来の電力となった。
「オール神奈川」で脱炭素化へ表彰制度を創設
神奈川県は、2050年脱炭素社会の実現に向けて、県民や事業者など、様々な主体と連携して「オール神奈川」で取り組んでいくため、2024年度、テレビ神奈川(神奈川県横浜市)との共催により、この表彰制度「かながわ脱炭素大賞」を創設した。
「かながわ脱炭素アクションフォーラム」で表彰式
表彰式は、2025年1月11日に新都市ホール(神奈川県横浜市)で開催される「かながわ脱炭素アクションフォーラム~若者世代が拓くカーボンニュートラルの未来~」内のプログラムとして実施する。
このフォーラムでは、これからの時代を担う若者世代をはじめ、幅広い世代に、脱炭素について考え、アクションを起こすきっかけとしてもらうため、様々なプログラムが用意されている。竹村眞一京都芸術大学教授が、世界初のデジタル地球儀「触れる地球」を使って、気候変動の状況や未来に向けて必要となる対策などを解説するセミナーを開催するほか、小泉進次郎衆議院議員(元環境大臣)が基調講演を行う。
「若者世代が拓くカーボンニュートラルの未来」をテーマに、有識者と若者世代が意見交換を行うパネルディスカッションでは、神奈川県知事の黒岩祐治氏がコーディネーターを務め、小泉進次郎氏、竹村眞一氏、ふきたろう氏、県立有馬高など学校生徒2名がパネルリストとして登壇する。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/e40cdcaa-ad14-4297-afc6-18a5218c2edb