経産省、北海道におけるGX推進体制を強化、再エネ開発に向けた新組織設立へ
経済産業省は8月30日、北海道と札幌市が「GX金融・資産運用特区」に選ばれたことを受け、道内におけるグリーントランスフォーメーション(GX)推進体制を強化すると発表しました。これに伴い、北海道経済産業局内に「GX推進チーム」を設置し、再生可能エネルギーの活用や地域の産業技術開発を支援するための新たな組織も立ち上げられます。
新設組織と役割
GX推進機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の3つの関連機関が、北海道内で再エネ事業を加速させるための新体制を整備します。GX推進機構は「北海道デスク」を設置し、地域の事業者や金融機関との連携を強化。NEDOも再エネ関連プロジェクトや次世代半導体産業技術の支援、スタートアップの育成を進めるため、「北海道デスク」を開設します。
また、JOGMECは「洋上風力調査北海道連絡事務所」を10月に岩内町に設置し、道内で進められる洋上風力発電の調査と事業者支援を行います。JOGMECは2023年度から、国が主導する「セントラル方式」の一環として洋上風力発電のサイト調査を開始しており、岩宇・南後志地区沖などの3区域で調査を進めています。
GX推進チームの発足と今後の展望
北海道経済産業局内に設置された「GX推進チーム」は、鈴木局長をリーダーとし、38名の職員が所属。9月2日には初会合が開かれ、北海道内でのGX推進に向けた取り組みが本格化します。さらに、資源エネルギー庁の風力事業推進室長が「北海道GX推進官」に任命され、現地での推進をサポートします。
このGX金融・資産運用特区の設立により、金融庁や関係省庁と連携し、地域の金融やビジネス環境の規制改革を進めるとともに、英語対応などの行政サービス強化も進められます。今後10年間で官民合わせて150兆円を超えるGX投資を実現することが目標です。
北海道でのGX推進により、再エネ分野での革新が期待され、地域経済の発展やカーボンニュートラルの達成に向けた重要な一歩となるでしょう。
【引用】
環境ビジネス. 経産省、道内におけるGX推進に向けて体制強化