日本政府、排出量取引制度の本格稼働に向けた検討開始

日本政府は、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、排出量取引制度(ETS)の本格稼働に向けた検討を進めています。9月3日、GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行推進室が主導する専門ワーキンググループ(WG)が設置され、経済、エネルギー、環境の専門家や産業界からの意見を集め、2026年度からの本格導入に向けた制度の設計が議論されます。

この排出量取引制度は、GXリーグで現在試行的に運用されており、企業の排出削減目標達成に向けた市場メカニズムを活用するものです。2026年度以降は、大企業の参加を義務化し、目標達成のための規律強化や取引ルールの整備が進められる予定です。また、企業が投資計画を立てやすくするため、価格の上下限を設定し、価格の予見可能性を高める措置が検討されています。

さらに、国際的なカーボンプライシング制度との整合性を確保するため、日本国内の排出量取引制度が国際市場で認められるような設計が求められています。こうした取り組みは、グローバルな競争環境においても日本企業の競争力を維持し、脱炭素社会への移行を促進する狙いがあります。

今後、WGは年内に複数回の議論を経て、最終的な制度設計をまとめる予定であり、日本のカーボンニュートラルへの取り組みが一層具体化されていくことが期待されています。

【引用】
内閣官房GX実行推進室. 排出量取引制度の本格稼働に向けた検討の方向性

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