IHI(東京都江東区)は10月31日、北海道電力(北海道札幌市)から、厚真町の苫東厚真発電所におけるCO2の分離・回収に必要となる設備の検討業務を受託したと発表した。
今回の検討は、北海道電力が石油資源開発(JAPEX/東京都千代田区)と出光興産(東京都千代田区)と共同で受託した、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の2024年度「先進的CCS事業」に伴う設計作業の一環として実施するもので、北海道電力が担当する検討対象の一部をIHIが行う。
事業実施を判断するため、具体的な技術を検討
設計作業では、苫小牧エリアにおけるCO2の分離・回収、輸送、貯留に関して、事業実施判断に向けた具体的な技術検討を進めるとしている。
IHIは今回、苫東厚真発電所から排出されるCO2を分離・回収と精製・圧送するため、CO2分離回収設備の大型化に関する検討と基本計画のほか、設備投資(CAPEX)や運用費(OPEX)の算出やコスト低減に向けた検討 リスク・課題の抽出と対応方法を検討する。
なお、苫小牧地域CCS事業は、2030年にCO2貯留量約150~200万トン/年を目標としている。
苫小牧地域を拠点に、水素・アンモニアサプライチェーンを構築
また、同社は、苫小牧エリアを拠点とした、水素・アンモニアのサプライチェーン構築と利用技術の開発も行う。
この取り組みには、IHIのほか、北海道電力、北海道三井化学(北海道砂川市)、丸紅(東京都千代田区)、三井物産(同)、苫小牧埠頭の5社が参画。各社が有する技術・知見を活用し、北日本広域圏にアンモニアサプライチェーンを構築し、アンモニアの普及拡大を目指す。
先進的CCS事業、同事業を含め9件を採択
JOGMECは2024年6月、2024年度「先進的CCS事業」として、日本海側東北エリアにおけるCCS事業や、マレー半島沖北部CCS事業、瀬戸内エリアにおけるCCS事業など、9案件を選定した。
このうち、JFEエンジニアリングは、日本海側東北エリアにおけるCCS事業における川崎臨海コンビナート地区でのCO2輸送パイプラインの検討業務やマレー半島沖北部CCS事業検討におけるCO2輸送パイプラインの基本検討業務など複数の事業を受注している。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/01ab2196-5f42-41a1-8dff-483d102b59b7