ASEANでのスマートシティ実現に向けた国際会議 GXなど成功事例を共有

国土交通省は11月6日、日本のスマートシティ海外展開に向けた国際会議「第6回日ASEANスマートシティ・ネットワーク ハイレベル会合」(10月29日~30日)の開催内容を明らかにした。

「GX(グリーントランスフォーメーション)」をテーマに、スマートシティの成功事例を共有し、その成功要因について議論したほか、日本の民間企業とASCN各国・各都市間の交流を促進する官民交流セッションなどが行われた。

ASEANから約45名が参加

同会合は、ASEAN各国、国内関係省庁、関係自治体と連携して、東京都内にて開催したもの。ASEANスマートシティ・ネットワーク加盟国のインフラ担当省庁(次官級・局長級など)や対象都市代表者、ASEAN事務局、日本の企業・自治体・政府関係機関など、約250名(オンライン参加者含む)が参加した。ASEANからは約45名が参加した。

ASEANでのスマートシティ実現へ引き続き協力

会合の成果として、脱炭素社会の実現に向けた協力の更なる推進、この会合で共有された事例を含む優良事例集の作成と共有の必要性、また、日本の支援パッケージ「SmartJAMP」による一層の支援を行っていくことを確認した。

具体的には、世界共通の課題である気候変動への取り組みの必要性の高まりを背景に、日本とASEAN諸国は、イノベーションを通じ、経済成長、エネルギー保障と強靭性を両立する形で、カーボンニュートラル/ネット・ゼロ・エミッションに向けた協力を推進することの重要性が認識された。

このため、都市、交通、エネルギーなどさまざまな分野におけるスマートシティ技術の活用に関する知見の共有や、ASEAN諸国における案件形成を図るための協力を推進する必要性を確認した。

アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の枠組みの下、今月開催されたAZEC首脳会合での共同声明における次の10年を見据えたアクションプランにおいても、「スマートシティ分野の協力によるGXの推進」が位置付けられている。

日本とASEAN間のスマートシティ分野の協力を推進

ASEANスマートシティ・ネットワーク(ASCN)は、2018年に設立されたASEANのスマートシティ促進を目的としたASEANの枠組み。

「日ASEANスマートシティ・ネットワーク ハイレベル会合」は、ASCNとの協力を推進するため、2019年以来毎年開催している国際会議で、日本とASEANとの間のスマートシティ分野における協力関係の構築に貢献してきた。

第2回会合で、日本は、ASCNにおけるスマートシティの具体的な案件形成を加速化するため、案件形成調査や実証事業の実施、金融支援の促進などを内容とする支援パッケージ「SmartJAMP」を提案した。ASEAN各国から31都市が選ばれ、民間企業・諸外国との連携を通じたプロジェクトの推進に取り組んでいる。

このほか、第6回会合の概要は以下の通り。

基調講演

森昌文内閣総理大臣補佐官が「ACCELERATION OF GX THROUGH SMART CITIES」と題して、スマートシティの実現に向けた現状と今後の方向性について講演した。

【第1部】ASEANにおける取り組みの共有

「ASEANにおける取り組みの共有」をテーマに、ASEAN事務局とASCN参加者より、ASEAN全体と各国各都市で進められているスマートシティの取り組みについて発表が行われた。

この中で、脱炭素社会の実現に向けて、交通や防災、エネルギーなど、広範な分野で、スマートシティを積極的に活用し、都市における課題解決に役立てる必要があるとの指摘があった。その際、国や地方自治体、地域住民や教育機関、サービスプロバイダーである民間企業など、さまざまな関係者と連携・協力することの重要性についても指摘があった。

【第2部】GX分野でのスマートシティの取り組みの知見共有について

「GX分野でのスマートシティの取り組みの知見共有について」をテーマに、日本の政府と自治体の発表、SmartJAMPの知見共有が行われた。

国土交通省による第2部の基調講演、「GXに資するスマートシティの取り組みについて」をテーマとするパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションでは、オリエンタルコンサルタンツグローバル グローバルソリューションズ事業部スマートシティ部(山田副部長)より、日本のGX分野におけるスマートシティの取り組みが共有された。また、SmartJAMPの知見として、カンボジア国土整備・都市計画・建設省(ソパル長官)、タイ デジタル経済社会省(ポンサップ副事務次官)、ラオス公共事業運輸省(ハンフォム事務官)より、各プロジェクトの取り組みから得られた知見について共有された。

最後に、モデレーターを務めた、石田 東生筑波大学名誉教授は第2部の総括を行い、脱炭素社会の実現に向けては、国や都市ごとにさまざまな課題があり、ASEAN諸国と日本が互いの知見を共有し学び合うことで、革新的な解決策の創造が可能となり、互いのGXに大きく貢献できると指摘した。

官民マッチングセッション

「日ASEANスマートシティ・ネットワーク官民協議会(JASCA)」会員企業21者が自社のプレゼンテーションやブース出展を行い、ASEAN各国・各都市へのPRと意見交換を行った。

(出所:国土交通省)

(出所:国土交通省)

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/1f3d7d8b-ab12-433b-814d-2088e211268a

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. G20合同会合、閣僚宣言で「2030年までに再エネ能力3倍」を明記

  2. カーボンクレジットをNFTで保有できるサービス「SINRA」J-クレジットの取り扱い開始

  3. 2023年度エネルギー起源CO2排出量、前年度比4.8%減の9.2億トン

  4. 株式会社TOWING 、カーボンクレジットの予約販売・創出に関するビジネスモデル特許を国内登録完了、海外登録に向けた活動に移行

  5. JPEA、自然破壊に警鐘 太陽光発電開発のあり方に関するガイド公開

  6. 米国エネルギー省(DOE)が二酸化炭素除去 (CDR) クレジットの入門書を発表

  7. 川崎重工、大気から低濃度のCO2を分離回収 神戸工場で実証機建設に着手

  8. 大阪ガス、大阪・関西万博でクリーンガス証書を適用した都市ガスを全量供給

  9. テックシンカー、アルメックと共同で、カーボンクレジットオフセットを実施。愛知県大府市と大府商工会議所が支援

  10. Xpansiv が S&P Global および CME と提携し、オーストラリアの炭素クレジット市場を強化

  11. 東亜建設工業、中国木材の社有林で森林クレジット 初年度1700tのCO2吸収

  12. 伊藤園、茶殻とコーヒー粕を混合しバイオ炭を製造 栽培した茶原料化

  1. 炭素市場インフラ (Carbon Market Infrastructure)|用語集・意味

  2. カーボンファイナンス (Carbon Finance)|用語集・意味

  3. グリーントランスフォーメーション(GX)|用語集・意味

  4. Verra(ヴェラ/ベラ)とは|用語集・意味

  5. 【超入門】世界の一流企業が本気で買い求める「カーボンクレジット」って何?(Apple/ディズニー/マイクロソフト/脱炭素/気候変動)

  6. 持続可能なファイナンス (Sustainable Finance)|用語集・意味

  7. 排出削減 (Emission Reduction)|用語集・意味

  8. “現代のゴールドラッシュ”とも言われる動きを取材しました。また、日本では、空気中の二酸化炭素を取り除く技術の開発が始まっています。

  9. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  10. ICE グローバル・カーボン・インデックスとは(Global Carbon Index)

  11. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  12. カーボンフットプリント (Carbon Footprint)|用語集・意味

  1. カーボンクレジット市場の包括ガイド~基本概念から投資戦略まで~

  2. 生物炭 (Biochar)|用語集・意味

  3. キャップ・アンド・トレード (Cap-and-Trade)|用語集・意味

  4. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  5. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  6. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  7. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  8. グリーン電力証書とは|用語集・意味

  9. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  10. ICE グローバル・カーボン・インデックスとは(Global Carbon Index)

  11. 脱炭素に向けて、二酸化炭素の排出量を売買できる「カーボン・クレジット市場」が11日、開設されました。

  12. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味