11月5日投開票された米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ前大統領の勝利が確実になったことを受け、各国首脳が祝意を表明した。
民主党の現バイデン政権とは経済政策や外交姿勢が大きく変わるとみられ、各国はトランプ氏の動向を見極めながら関係構築を急ぐ。またトランプ氏は気候変動などの環境対策に消極的であることから、脱炭素の世界的潮流が後退する懸念もある。
石破首相「日米同盟、日米関係をさらなる高みに」
日本の石破茂首相はトランプ氏の勝利について、「心からのお祝いを申し上げ、そしてまた、合衆国国民の民主主義の選択にも敬意を表したい。今後、トランプ氏と連携を密にしながら、日米同盟、日米関係を更なる高みに引き上げてまいりたい。今後、トランプ氏と接点を早急に持つべく努力する」と祝意を述べた。
イギリス・スターマー首相は自身のXで「米大統領選挙における歴史的な勝利を心からお祝い申し上げる。私はあなたと仕事することを心より楽しみにしている。親愛なる同盟国として、我々が共有している自由、民主主義、ビジネスの価値観を守るため、私たちはひざを突き合わせて話し合いたい。成長や安全からイノベーション、科学技術まで、私は太平洋の両端において、英米両国の特別な関係が今後も続くと確信しています」との声明を出した。
フランス・マクロン大統領「一緒に働く準備できている」
フランスのマクロン大統領は自身のXに「 4年間これまでやってきたことと同じように、一緒に働く準備ができています。あなたの私の信念とともに。敬意と野心を込めて。さらなる平和と繁栄のために」と書き込んだ。
ドイツ・ショルツ首相も自身のXで、「長きにわたり、ドイツとアメリカは太平洋の両端において協働し、繁栄と自由を享受してきました。市民の幸福のために、我々は良好な関係を続けていくつもりです」とコメントした。
中国の習近平国家主席「中米が戦えば傷つく」
アジアでも首脳の祝意が相次いだ。国営新華社通信によると、中国の習近平国家主席はトランプ氏に祝意のメッセージを送った。祝電で習氏は「中米が協力すれば双方の利益となり、戦えば傷つく。安定的で健全な中米関係は両国の利益、国際社会の期待に沿うものだ」として、トランプ氏と対話し良好な関係を目指す姿勢を強調した。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は自身のXを更新し、「あなたの強力なリーダシップのもと、韓国・米国関係、米国の未来は輝かしいものになるでしょう。あなたと緊密に協働することを楽しみにしています」とのコメントを発表した。
インドのモディ首相も自身のXで、「友人のドナルド・トランプ氏、歴史的な選挙勝利を心からお祝い申し上げます。前任期の成功を土台に、インドと米国の包括的グローバル戦略的パートナーシップをさらに強化するために、協力関係を新たにすることを楽しみにしています。ともに国民の幸福と世界の平和、安定、繁栄の促進に努めましょう」とトランプ氏との良好な関係を強調した。
産油国サウジのサルマン国王「長期的視野で米国との関係強化」
世界有数の石油産出国であるサウジアラビアのサルマン国王はサウジ外務省の公式Xを通じ、「長期的視野に立って米国との関係を強化する」ことに意欲を示すとともに、「次期政権においてもアメリカ国民がさらに進歩・繁栄することを願う」とコメントした。
各国のメディアも米大統領選を大々的に報じた。英国の新聞「タイムズ」は「トランプ氏の勝利は英国の貿易、経済、防衛、気候変動などに重大な影響をもたらす」と指摘した。
アルジャジーラ「マスク氏が絶大な存在感」
一方、中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」はトランプ氏勝利の大きな要因として、実業家イーロン・マスク氏を挙げた。「マスク氏がトランプ陣営に強大な発信力と資金を注ぎ込み、選挙において絶大な存在感を放った。彼は新政権の役職を確保した」と報じた。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/9d4540f6-eb08-4ab8-ab06-53c660eb8c6a