Green Carbon(東京都港区)は12月11日、テミクス・グリーン(同・港区)、伊予銀行(愛媛県松山市)、愛媛銀行(同・松山市)とともに、愛媛県の農業課題・脱炭素化の解決に向け、J-クレジットを創出・活用する取り組みを開始すると発表した。
4社は愛媛県と協定書を締結し、官民連携により、柑橘類の残渣や剪定枝などを活用し「バイオ炭の農地施用」「水稲栽培における中干し期間の延長」に取り組む。
柑橘類生産量日本一の愛媛県ならではの取り組み
愛媛県は、2024年1月に改定した「愛媛県地球温暖化対策実行計画」において、2030年度までに温室効果ガス排出量46%削減(2013年度比)、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロと目標を設定している。
今回の取り組みで、まずは、柑橘類生産量日本1位を誇る柑橘類の残渣や剪定枝などを活用し、バイオ炭を生成、愛媛県の圃場に散布し、J-クレジットの創出を目指す。
愛媛県は農地面積も水田・畑作合わせて約4万4300haのポテンシャルを有しており、4社との連携により、農業分野におけるJ-クレジットの創出・活用を行い、同県初の先行事例を作っていく。
森林・農業由来クレジット創出で協業
Green Carbonは、水田の中干し期間延長によるメタンガス削減によるカーボンクレジット創出で、テミクス・グリーンは住信SBIネット銀行(東京都港区)の子会社で、森林由来のカーボンクレジットの創出で強みを持つ。
Green Carbonとテミクス・グリーンは3月、森林・農業分野でのカーボンクレジットの創出で協業すると発表した。国内のJ-クレジット制度の活用に加え、海外でのボランタリークレジットや二国間クレジット制度(JCM)活用も視野に事業拡大を目指すこととしている。また、Green Carbonは、住信SBIネット銀行と森林・農業分野におけるネイチャーベースのカーボンクレジット共同創出を実現するため、資本業務提携契約を締結している。
全国の農家ネットワークやクレジット創出ノウハウを活用
Green Carbonは、国内、東南アジアを中心にカーボンクレジット創出・販売支援事業を展開している。国内において、全国の生産農家と連携し、ネイチャーベースのカーボンクレジットを創出・販売している。中でも、水田メタン削減と削減効果のJ-クレジット化の取り組みは、「稲作コンソーシアム」を発足させ、日本初・最大規模で水田のJ-クレジットの認証を取得している。2024年11月現在で稲作コンソーシアムへの登録面積は4万ha以上、約900社以上の企業・農業法人が参画している。全国の農家ネットワークやクレジット創出ノウハウを活かし、愛媛県に貢献していく。
テミクス・グリーンは、住信SBIネット銀行が、2023年10月に、カーボンクレジット事業と林業・林政DX事業の推進を行う新会社として設立した。J-クレジット制度を活用した森林由来のカーボンクレジットの創出と流通(カーボンクレジット事業)と森林サプライチェーンにおけるDX化の実現を通じた、森林価値の極大化・環境負荷の低減やサステナブルな社会の発展への貢献を目指している。
また、伊予銀行、愛媛銀行も既に愛媛県と脱炭素化に向け動いており、この取り組みにおいても、農業分野におけるJ-クレジット活用促進を目指していく。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/4f4ee20b-0146-4012-9095-d7c948cee167