博報堂DYホールディングス(東京都港区)は1月20日、国連とメディアによる気候変動対策の共同キャンペーンの影響度を調査し、その結果を公表した。
同調査は3年連続3回目。調査によると、キャンペーン認知者ほど気候変動への危機感は高くなった一方で、気候変動を抑制するための行動は前回から広がっていないことがわかった。
キャンペーンの主張にふれた人、前回から1.4ポイント減
2024年1月からのキャンペーン期間中に、「気温上昇を1.5℃に抑えるべき」というキーワードを含む関連情報にふれたと回答した人は28.8%で、前回調査(30.2%)から1.4ポイント減少した。
キャンペーンや気候変動に関する情報にふれたことで、脱炭素に対し「関心が高まった」と回答した人は約8割に上った。
関心が高まった理由では、「複数の記事や番組、SNS投稿などで報道されていたから」(43.9%)が最も多かった。
そのほか、「記事や番組、SNS投稿などで気候危機の具体的な出来事や影響を知ったから」(30.5%)、「記事や番組、SNS投稿などで脱炭素について具体的なアクションがわかったから」(15.5%)といった回答などが伸長。より身近な影響や具体的な行動の呼びかけが重要であると、同社は分析している。
ストレートな表現ほど、気候変動の関心を高める傾向
調査では、国連広報センターが推奨する気候変動抑制のために個人でできる10の行動「ActNow」に関する質問も行った。
「どの程度実践しているか」を聞いたところ、キャンペーン認知者は非認知者と比べて、いずれの実施率も10ポイント前後高い結果となった。
特に「環境に配慮した製品を選ぶ」では、認知者は63.4%/非認知者は40.4%、「周囲の人に参加してもらうように呼びかける」では、認知者は41.2%/非認知者は18.8%と、20ポイント以上の差が開いた。
また、「どのようなメッセージにふれると脱炭素に向けた行動に移すと思うか」を尋ねた結果、最多は「近い将来、日本は亜熱帯化し、日本の四季は失われます」(25.9%)。次いで、「このまま温暖化が進むと、日本は、災害級の台風に毎年見舞われます」(23.4%)となるなど、ストレートに気候危機を伝える表現が上位に挙がった。