宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所は4月18日、北極の氷の面積(海氷域面積)を衛星写真で調べた結果、観測史上最も小さくなったと発表した。この現象は地球規模の気候変動に関連するものだとしている。
過去最小の2017年を下回る海氷域面積に
JAXAは国立極地研究所と連携し、水循環変動観測衛星「しずく(GCOM-W)」などのマイクロ波放射計を活用し、南極・北極における氷域面積を継続的に観測している。
北極の海氷域面積は例年、10月から3月に拡大(4月から9月に縮小)するが、2025年は最も拡大した3月20日においても1379万km2にとどまり、これまで最小だった2017年を下回り、衛星観測開始以来最も小さい値となった。
また、2024年12月から2025年2月にかけての月平均の海氷域面積は、いずれの月もその月としては観測史上最小を記録した。

(出所:宇宙航空研究開発機構)
「気象や海洋環境への影響が懸念される」
エリア別では、特にグリーンランドの東側以外の多くの海域で減少傾向が見られた。この影響により、北極だけでなく、南極も含めた全球の海氷域面積の年間最小値が観測史上最小を更新する結果となった。こうした海氷減少の一因としては、2024年12月から2025年2月にかけて北極海周辺の気温が平年より高く、海氷域が広がりにくい状態が続いたことが挙げられるという。
北極海氷域面積の減少は地球規模の気候変動と関連する現象であり、今後の気象や海洋環境への影響が懸念されるため、両者は今後も、継続的なモニタリングと解析を進めるとしている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/87d75e91-55b0-4860-986f-cf1aa207931d