大林組(東京都港区)は4月24日 、建設現場に可搬型バッテリーを導入し、GX建設機械の運用実証実験を行ったことを明らかにした。運搬・設置が容易な可搬型バッテリーを稼働中の建設機械の近くに設置し、給電できる体制を整えたことにより、電動移動式クレーンが8時間作業できることを確認。バッテリー容量や充電スポットへの移動の難しさなどから終日作業が難しかった大型GX建設機械の課題解決に向け前進した。
建機を移動しなくても充電でき、8時間稼働が可能 年32トンのCO2減
同実証では、首都圏の建設現場において可搬型バッテリー(電池容量:85.24kWh、定格出力:36kW、充電時間:4.25時間)を導入し、25t吊りの電動移動式クレーンの充電および給電方法などを検証した。
作業休憩時に建機を充電したり、可搬型バッテリーから直接給電して建機を稼働させるなどの実験を行ったところ、1日8時間のクレーン作業を実施できることが確認された。
可搬型バッテリーは、運搬や設置が容易で速やかにできるため、稼働中のクレーンの近くに設置すると、建機を移動しなくても充電や給電ができるというメリットがあったという。
CO2削減効果は約260㎏/日。年に換算すると、1台当たり約32tのCO2削減ができる見込みだ。
なお同実証は、2025年2月12日から3月7日までの期間行われた。
可搬式のバッテリーの導入により、現場の電源設備に左右されずGX建機の終日作業が可能
同社は2024年度から、国内の建設工事においてGX建設機械の導入を開始した。しかし、大型のGX建設機械は現在のバッテリー容量では終日作業することが難しく、かつ、充電スポットへの移動を考慮した運用が必要となる。また充電に必要な電力が大きいため、建設現場で充電を行う場合は、電源設備の増設や充電スペースの確保が必要などの課題があった。
こうした課題に対応するため、同社は今回、可搬型バッテリーを活用し建設現場で効率的に充電する実験を実施。充電は工事現場の電気使用量が少ない夜間などの時間帯に行うか、他の拠点で充電し、容量の少なくなった可搬型バッテリーと入れ替えることで、建設現場の電源設備に左右されない電力供給体制を整備できることを検証した。
同社は、敷地内で充電や給電設備の確保が困難な建設現場に可搬型バッテリーの導入を進め、GX建設機械の普及する環境を整備していく。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/1c535074-d8d5-4827-b2c1-7cbe9f84e9f0