アスエネ(東京都港区)は5月20日、台湾の交通系ICカード会社であるiPASS Corporationと脱炭素経営についての業務提携を結んだと発表した。iPASSが持つ利用者の通勤状況などのデータとアスエネのCO2排出量算出機能などを組み合わせ、排出量データの開示、カーボンニュートラルの達成を見据えた経営姿勢をより鮮明にする狙いがある。
クラウドサービス「ASUENE」で脱炭素支援
iPASSは台湾南部の中心都市である高雄市に本社があり、計2700万枚以上の交通系ICカードを発行・運用している。
今回のアスエネとの業務提携では、CO2排出量の見える化・削減・報告クラウドサービス「ASUENE」をアスエネが提供し、iPASSの脱炭素経営を支援する。ICカード利用者の通勤・移動データとスコープ3(サプライチェーン)のCO2排出量算定機能を連動させ、従業員の移動に伴う排出量算定などに活用。iPASSにおける脱炭素化がさらに進むようにする。
両社は台湾の製造・流通業などスコープ3でのCO2削減が急務な企業に同様の取り組みの導入を働きかける。

iPASS はアスエネとの業務提携によって脱炭素経営を強化する(出所:アスエネ)
台湾での排出量開示強化が背景に
今回の業務提携の背景には、台湾で脱炭素経営、サステナビリティに関する法整備が進んでいることがある。
台湾では2026年、資本金50億台湾ドル以上の企業を対象に温室効果ガスの排出量の開示が義務化される見通しだという。
2027年以降はスコープ1、2だけでなく、スコープ3までを含めた排出量データの管理が必要になるとみられている。スコープ3における従業員の通勤や出張に伴う移動の排出量算定は難しいことから、今後ほかの企業の間でこうした従業員に関するデータ算定ニーズは高まりそうだ。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/1c95211c-537b-4f5a-b524-ab1475c2d54f