中部電力らと三井住友海上、ブルーカーボンを活用したサービス開発で連携

中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)、中部電力(同)、三井住友海上火災保険(東京都千代田区)は5月19日、ブルーカーボンを活用した新たなサービス開発に向け合意書を締結したと発表した。3社は、ブルーカーボン由来のJブルークレジットをより多く創出し活用するサービスについて検討を進めており、このサービスにおいて重要な要素となる「信頼性の高いクレジット評価手法」の開発方針が定まったため、合意書を締結した。

信頼性の高いクレジット認証手法を構築に向け協業

Jブルークレジットは、JBE(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)がブルーカーボン生態系の保護・育成が目的のプロジェクトを対象に発行・販売しているカーボンオフクレジット。

認証時、藻場や海藻養殖でのCO2固定量を算出し、JBEに申請するが、証拠となる資料の信頼性が不十分の場合、クレジット認定量が過小に査定されることがある。今回、開発方針が定まった「信頼性の高いクレジット評価手法」では、最新の技術を用いて高い精度で評価することで、認証量の増加が見込めるという。

3社は、信頼性の高いクレジット認証手法構築に向け、海洋における藻場再生・海藻養殖による海洋環境の回復・CO2を固定する研究を推進する。

藻場再生支援や創出クレジットの活用スキームでも連携

さらに、藻場再生・海藻養殖によって固定されたCO2評価精度向上技術の開発にも取り組む。また、創出されたクレジットを活用したブルーカーボン由来のCO2フリーメニューや、同スキームをサポートする金融サービスの開発などの検討を進めていく。

協業のスキーム図(出所:中部電力ミライズ)

協業のスキーム図(出所:中部電力ミライズ)

環境省、藻場などの調査・評価手法における「手引き」作成

海洋や沿岸の生態系を保全・再生する取り組みに対して付与される価値であるブルーカーボンクレジットは、気候変動対策や生物多様性保護に貢献すると同時に、企業の脱炭素化にも大きく寄与する。

環境省では、沿岸域の環境課題と経済・社会課題の同時解決を目指し、藻場・干潟の保全・再生・創出と地域資源の利活用の好循環に向けた取り組み(里海づくり)を推進しており、2025年3月には「今後の里海づくりのあり方に関する提言」を公表。同年4月には、「令和の里海づくりに向けた藻場・干潟の保全・再生の評価の手引き」を作成し、ブルーカーボンの算定方法を含む藻場・干潟の調査・評価方法の手引きを公開した。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/5dd5ed0e-1b67-4aa4-974c-293e12322e4a

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. 印 農業部門のVCMとアグロフォレストリー苗園の認定プロトコルの開始

  2. G20の1.1兆ドルの化石燃料補助金と炭素価格設定の取り組み

  3. 脱炭素支援のモデル事業を他自治体に横展開、環境省が後押し 今治市を採択

  4. ヴェラ、検証済み炭素基準プログラムに基づく初のバイオチャープロジェクトを発表

  5. ヤマト住建、社有林を保全・活用へ 「ヤマト循環の森」を守り・育て・活かす

  6. 伊藤忠エネクスとNCS、カーボンニュートラル給油カードサービスで協業

  7. 英国政府、BritCham、スタンダード・チャータードがインドネシアの炭素市場の機会について協議

  8. カーボンクレジット生成 AIを開発するCarbontribe 社にGGG 社 (東京電力・中部電力のシンガポール合弁会社)が出資

  9. 横浜銀行、横浜港の脱炭素化サステナブルファイナンス第1号 地元企業に融資

  10. 日本、2026年度に排出量取引制度の導入を目指し本格的な検討開始

  11. 日本通運、新幹線でサステナブルに荷物を即日配達 CO2排出を約95%削減

  12. 林野庁、森林の炭素蓄積データをより正確に 森林吸収量の算定方法を改善へ

  1. 炭素市場インフラ (Carbon Market Infrastructure)|用語集・意味

  2. カーボンリムーバル(Carbon Removal)|用語集・意味

  3. 排出削減単位 (Emission Reduction Unit, ERU)|用語集・意味

  4. キャップ・アンド・トレード (Cap-and-Trade)|用語集・意味

  5. カーボンレジストリ (Carbon Registry)|用語集・意味

  6. コンプライアンス市場 (Compliance Carbon Market)|用語集・意味

  7. 来月、閉鎖されるENEOSの和歌山製油所の跡地が、脱炭素社会のモデル地区として再整備されることになりました。

  8. ベースライン (Baseline)|用語集・意味

  9. 温室効果ガス (Greenhouse Gas, GHG)|用語集・意味

  10. グリーン成長戦略とは|用語集・意味

  11. 天然ガスを原料に1日1.7トンの水素を製造可能 カーボンニュートラル実現に向けて製造プラントが完成

  12. グリーントランスフォーメーション(GX)|用語集・意味

  1. グリーンエネルギー (Green Energy)|用語集・意味

  2. 地球温暖化防止 (Climate Mitigation)|用語集・意味

  3. 合成燃料(e-fuel)とは|用語集・意味

  4. クリーンエネルギー|用語集・意味

  5. 排出削減 (Emission Reduction)|用語集・意味

  6. 脱炭素に向けて、二酸化炭素の排出量を売買できる「カーボン・クレジット市場」が11日、開設されました。

  7. カーボンクレジット (Carbon Credit)|用語集・意味

  8. 森林再生 (Afforestation/Reforestation, A/R)|用語集・意味

  9. カーボンクレジット市場の包括ガイド~基本概念から投資戦略まで~

  10. グリーントランスフォーメーション(GX)とは|用語集・意味

  11. グリーン電力証書とは|用語集・意味

  12. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味