積水化学工業(大阪府大阪市)は6月12日、同子会社の積水ソーラーフィルム(同)が、関西エアポート神戸(兵庫県神戸市)と連携し、神戸空港の制限区域内でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始すると発表した。空港特有の強風による影響などを検証する。
空港機能を維持しながら将来的な再エネ導入拡大を図る
この実証では、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を神戸空港制限区域内の緑地帯にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を防草シート上(約50m2)に設置し、空港特有の耐風性能などの安全性や施工方法、耐久性・発電効率などを検証する。期間は、2025年6月から2027年3月までの予定。
空港制限区域内におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置は国内初の試みで、積水化学工業らは、軽量・薄型で柔軟性を有するペロブスカイト太陽電池の特性を生かすことで、空港機能を維持しながら将来的な再エネの導入拡大につなげたい考えだ。
離島や湾岸などより過酷な環境で実証を展開
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再エネの導入拡大が求められる中、太陽光発電に関する取り組み、特にフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化が進められている。
積水化学グループでは、これまでに銀行店舗や学校体育館、新幹線の防音壁、風力発電タワーなどでの実証のほか、近年は静岡県内の湾岸施設や沖縄県宮古島市などより過酷な環境での検証を行っている。

台風の接近が多いことから「台風銀座」とも呼ばれる宮古島市でも実証(出所:積水化学工業)
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/66c4056f-49ef-42e3-9fa2-e912ee1472ce