政府は2月18日、「GX2040ビジョン」を策定し閣議決定した。2040年に向け、エネルギー安定供給確保や経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGXの取り組みを飛躍させるための政策を具体化していく。
成長志向型CPの実現に150兆円を投資
GX2040ビジョンは、以下の8パートで構成されている。
- はじめに
- GX産業構造
- GX産業立地
- 現実的なトランジションの重要性と世界の脱炭素化への貢献
- GXを加速させるためのエネルギーをはじめとする個別分野の取り組み
- 成長志向型カーボンプライシング構想
- 公正な移行
- GXに関する政策の実行状況の進捗と見直し
各項目の要点を以下にまとめる。
GX産業構造
「企業の成長投資を後押しする企業経営・資本市場の制度改善」や「GX製品・サービスの積極調達のための環境整備、ディープテックスタートアップの製品・サービスの調達を促すための支援等」「中堅・中小企業のGX」など、特にカギとなる6つの取り組みを進める。
GX産業立地
2040年に向け、新たな成長産業として、ペロブスカイト電池、革新的蓄電池に加え、グリーンスチールや半導体、データセンターなどを、脱炭素電力などのクリーンエネルギーを利用した製品・サービスが付加価値を生むGX産業が、日本経済の牽引役になると期待を寄せる。
現実的なトランジションの重要性と世界の脱炭素化への貢献
2050年CNに向けた取り組みを各国とも協調しながら進めつつ、現実的なトランジションを追求する必要があるとし、AZECなどの取り組みを通じ、世界各国の脱炭素化に貢献する。
GXを加速させるための個別分野の取り組み
個別分野(エネルギー、産業、くらしなど)について、分野別投資戦略、エネルギー基本計画などに基づきGXの取り組みを加速させる。また。再生材の供給・利活用により、排出削減を目指す。2025年通常国会にて資源有効利用促進法改正案提出を予定する。
成長志向型カーボンプライシング構想
10年間で150兆円規模の官民投資を呼び込むための「成長志向型カーボンプライシング構想」については、基本的な考え方と実現に向けた制度措置についてまとめている。排出量取引制度の本格稼働(2026年度~)に向けては、2025年通常国会でGX推進法改正案を提出する予定。
公正な移行
GXを推進する上で、公正な移行の観点から、新たに生まれる産業への労働移動を適切に進めていくとともに、GX産業構造への転換に伴い労働者が高度化されたサプライチェーンで引き続き活躍できるよう、必要な取り組みを進める。
GXに関する政策の実行状況の進捗と見直し
今後もGX実行会議を始め適切な場で進捗状況の報告を行い、必要に応じた見直しなどを効果的に行う。
将来の見通しに対し不確実性が高まる課題への対応
政府は、2023年に「GX推進法」「GX脱炭素電源法」を成立させ、「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)を閣議決定し、GX実現に向けた「成長志向型カーボンプライシング構想」などの新たな政策を始動した。一方、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化、DXの進展や電化による電力需要の増加の影響など、投資環境への不確実性が高まっている。
そこで、エネルギー、GX産業立地、GX産業構造、GX市場創造を総合的に検討し、GXの取り組みの中長期的な方向性を官民で共有するため、GX推進戦略を改訂し、同ビジョンを打ち出した。
エネルギー基本計画も閣議決定
また、政府は同日、新たなエネルギー基本計画を閣議決定した。計画には、特定の電源や燃料源に過度に依存しない電源構成を目指すとともに、脱炭素電源を最大限活用することなどが盛り込まれた。
参考:経済産業省―「GX2040ビジョン 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略 改訂」が閣議決定されました
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/ebec9fdf-dbbd-4cea-87df-8aa3c8daac6b