企業の脱炭素経営を支援するスタートアップ企業のGreen AI(東京都千代田区)は9月2日、台湾の政府系シンクタンク中華経済研究院(CIER)と、AIと最適化アルゴリズムを用いた脱炭素計画策定システム導入に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。CIERとの協業は、台湾における科学的かつ実効性のある脱炭素推進の大きな節目になるとしている。
自動車製造分野を中心に脱炭素化支援 将来的には産官学連携も
台湾経済部(MOEA)・産業発展署は現在、国内で脱炭素支援プロジェクトを推進している。同プロジェクトは、自動車製造分野のサプライチェーン全体でのネットゼロ対応支援を目的としたもので、今回のMOU締結により、台湾政府の支援を通じ、台湾主要産業の脱炭素化に加え、産官学連携や政府政策との接続を見据えた協力体制の構築が期待される。
まずは台湾企業の脱炭素計画策定に着手
Green AIは、CIERおよび台湾自動車製造大手のChina Motor Corporation(CMC)とワークショップを開催。同社の脱炭素計画策定システム「Green AI」を紹介し、台湾自動車サプライチェーン企業から「設備更新に頼らない運用改善を含めた省エネ発想が新しい」などの評価を得ている。
今後は、「Green AI」の現地最適化を進めながら、実際に台湾企業の脱炭素計画を策定する計画で、政府政策や企業ニーズに沿った実効性の高い成果を積極的に創出していく。
最短5分で削減計画案策定する「Green AI」
Green AIは、「環境(Green)」と「テクノロジー(AI)」を融合し、脱炭素経営を推進するスタートアップで、2022年に創業した。開発した「Green AI」は、1700件の脱炭素・省エネ施策を網羅したデータベースから、ユーザー情報に基づき最も経済的な施策を自動で選定。コスト削減と脱炭素を両立させる削減計画案を最短5分で策定する。
政策提言から企業の脱炭素化まで幅広く支援
中華経済研究院(CIER)は、1981年に設立された台湾経済部(MOEA)傘下のシンクタンク。専門的な研究に基づき、台湾の経済・産業発展に貢献する政策を提言する。近年は、台湾企業やそのサプライチェーンを対象に脱炭素化支援を行っている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/9b8a29b1-b9d5-4bfb-80c2-ea66e2088441