三菱系、太陽光活用J-クレジット事業で新連携 2030年までに900t

三菱HCキャピタル(東京都千代田区)は4月9日、サンエー(神奈川県横須賀市)と、J-クレジット創出事業を開始したと発表した。J-クレジット創出に向けては、両社が共同管理・運営する、太陽光発電設備の導入によるCO2削減プロジェクトを活用する。

複数会員の削減量をとりまとめ、クレジットを創出

 

このプロジェクトでは、サンエーが設置した太陽光発電設備のうち、プロジェクトに賛同した複数の企業・家庭による削減量をとりまとめ、クレジットを創出するという。

2026年3月を予定している第1回クレジット認証時には約100トン、2030年までに累計約900トンの創出を見込んでいる。なお、同創出事業は「プログラム型プロジェクト」としてJ-クレジット制度に承認された。

創出事業のスキーム(出所:三菱HCキャピタル)

創出事業のスキーム(出所:三菱HCキャピタル)

三菱HCキャピタルは、脱炭素ソリューションを重要テーマの一つに位置付けており、クレジット創出以外にも、CO2可視化や省エネ・再エネなどのワンストップサービスの構築を進めている。サンエーはEPC事業者として、自治体や公共施設向けの再エネ事業に注力している。両社は今後、同プロジェクトの管理・運営を通じて、中小企業や個人における取り組みの促進を図る。

静銀系、J-クレジット・プロバイダーに登録

政府が掲げる「2030年までのGHG46%削減」のロードマップでは、J-クレジット制度の活用により、1500万トン削減を目指す方針が示されており、今後もクレジットの需要は増加していく見込みだ。一方で、プロジェクトの登録手続きや費用などの負担が取り組み拡大を妨げる要因となっている。

こうした中、静銀経営コンサルティング(静岡県静岡市)は4月9日、J-クレジット・プロバイダーへの登録を完了したと明かした。

J-クレジット・プロバイダーとは、J-クレジット制度に基づき認証されるGHG排出削減・吸収量の創出や活用を支援できる事業者のこと。クレジット使用にはクレジット管理専用口座が必要となるが、J-クレジット・プロバイダーを介することで、保有していなくても利用できる。静銀経営コンサルティングを含め現在、9社が登録されているが、金融機関グループの登録は同社が初めてとなる。

同社は、今回の登録を機に、これまで以上にクレジット創出支援に注力し、地域におけるクレジット活用を積極的に支援することで、J-クレジットを通じた地域エコシステム(循環型地域経済モデル)の構築を推進していくとしている。

地域エコシステムの推進イメージ(出所:静銀経営コンサルティング)

地域エコシステムの推進イメージ(出所:静銀経営コンサルティング)

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/014a875a-34cd-4b4a-8f1a-cf047a7b3dde

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. SEC、米国企業にカーボンクレジットによるオフセットに関する開示を義務付け

  2. グリーン鉄の市場拡大へアクションプラン 優先的調達やCEV補助金で支援

  3. アーバー、マイクロソフトと提携し25,000トンの炭素除去を実現

  4. JALグループとパワーエックス、カーボンゼロ農業で実証 環境事業化へ検討

  5. ヤンマー、水素エンジン・水素燃料蓄電池システムの生産拡大 新計画策定

  6. Earth Blox が Chloris Geospatial と提携し、森林炭素評価とコンプライアンス ソリューションを拡大

  7. 愛知県内で「宙炭」活用へ TOWING とJA愛知信連が協定締結

  8. ミサワホームのクレジット創出事業、新規受付開始 バイウィルが取り組み支援

  9. 英国航空、CORSIA 不遵守で炭素 1 トンあたり 127 ドルの罰金を科される

  10. ブリティッシュ・エアウェイズ、900万ポンドのカーボンクレジット購入で航空業界のネットゼロ達成を加速

  11. カーボンクレジット生成スタートアップVaraha、東南アジアやサブサハラアフリカでの地理的プレゼンスの拡大と技術・科学能力の強化を目指し、シリーズA870万ドル資金調達

  1. グリーン成長戦略とは|用語集・意味

  2. 【FAEGER】未来の農業に挑む!脱炭素農業とカーボンクレジットの可能性!

  3. 再生可能エネルギー証書(REC)とは|用語集・意味

  4. 直接空気回収技術(DAC)とは|用語集・意味

  5. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所

  6. 炭素市場とは|用語集・意味

  7. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  8. 認証排出削減量 (Certified Emission Reductions, CER)|用語集・意味

  9. グリーンエネルギー (Green Energy)|用語集・意味

  10. 脱炭素に向けて、二酸化炭素の排出量を売買できる「カーボン・クレジット市場」が11日、開設されました。

  11. ボランタリー市場(Voluntary Carbon Market, VCM)|用語集・意味

  12. グリーントランスフォーメーション(GX)|用語集・意味

  1. 温室効果ガス排出量 (GHG Emissions)|用語集・意味

  2. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  3. ブルーカーボンとは|用語集・意味

  4. 削減プロジェクト (Reduction Project)|用語集・意味

  5. カーボンレジストリ (Carbon Registry)|用語集・意味

  6. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  7. ボランタリー市場(Voluntary Carbon Market, VCM)|用語集・意味

  8. 排出削減 (Emission Reduction)|用語集・意味

  9. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  10. 財務省は14日、脱炭素社会への移行を目的とした新たな国債「GX経済移行債」の入札を実施しました。政府による「移行債」の発行は世界で初めてです。

  11. カーボンフットプリント (Carbon Footprint)|用語集・意味

  12. 認証排出削減量 (Certified Emission Reductions, CER)|用語集・意味