住友商事、アフリカでマングローブ植林由来カーボンクレジット事業に参入

住友商事(東京都千代田区)は4月1日、マングローブ林を保有するアフリカ地域の2カ国(マダガスカル、モザンビーク)において、2件のマングローブ植林由来のカーボンクレジット事業に参入したと発表した。

両案件ともに、マングローブの成長に応じてカーボンクレジットを21年以上の長期で創出し、欧州、米州、日本を含むアジア企業に向けて販売する。

将来的には計3400万トンのブルーカーボンクレジット創出を目指す

将来的には、アフリカで最大級となる計3400万トンのカーボンクレジット創出(マダガスカル案件: 1400万トン、モザンビーク案件: 2000万トン)を目指し、脱炭素化に向けた世界的な需要に対応していく考え。

各案件の概要は、以下の通り。

マダガスカル:まずは累計80万トン創出を目指し、日系企業などに販売

マダガスカルでは、カーボンクレジット事業をグローバル展開するValue Network Ventures(VNV/シンガポール)と、現地で植林事業を行うBondyの合弁会社が開発するマングローブ植林への資金拠出を通じ、ブルーカーボンクレジットを調達する。第1段階として、21年間で累計約80万トンのカーボンクレジットを創出し、住友商事が日系企業を中心とした需要家向けに販売する。

なお住友商事とVNVは2023年10月に、グローバルでのカーボンクレジット事業の共同検討に関する覚書を締結しており、今回の案件はこれに基づくVNVとの連携事業の一環。

モザンビーク:仏企業と合弁会社設立、40年間で累計約250万トン創出

モザンビークでは、カーボンクレジットの開発・投資・販売を行うRemovall(フランス)と、合弁会社Summit Removallを設立しブルーカーボンクレジット事業に投資する。第1段階として、現地の地域住民の理解と協力を得ながら、40年間で累計約250万トンのブルーカーボンクレジットを創出する。創出したカーボンクレジットの一部を、住友商事とRemovallが共同で各地域の需要家向けに販売する。

モザンビーク案件・マングローブ植林とコミュニティの様子(出所:住友商事)

モザンビーク案件・マングローブ植林とコミュニティの様子(出所:住友商事)

アフリカ地域は今後もカーボンクレジット市場拡大の見込み

GHG削減・吸収量を売買できる仕組みであるカーボンクレジットは、2024年には、世界で年間2.9億トンが創出された。アフリカではそのうち20パーセントを占める5,900万トンを創出し、2030年には年間24億トンが創出されることが期待されており、市場拡大が見込まれる。

住友商事は、アフリカでのカーボンクレジット事業に参入し、事業拡大を図っていく考え。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/af0ce937-45b0-4e6f-bb60-1e2eed086ac7

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. みずほとロンドン証券取引所グループが炭素クレジット市場の成長促進に向け提携

  2. エクソンモービル、炭素回収・輸送・貯蔵でNG3と提携

  3. TikTokとTwo DriftersがClimeworksと長期CDR契約を締結

  4. ASEANでのスマートシティ実現に向けた国際会議 GXなど成功事例を共有

  5. ファミマ、CO2換気制御で店舗の節電強化 遠隔監視システムも導入

  6. 世界初のUNFCCCパリ協定認可ITMOをスリナムで発行:熱帯雨林保護とカーボンクレジット市場の新たな一歩

  7. 日本製鉄、高炉水素還元でCO2削減43%達成 自社が持つ世界最高水準更新

  8. 東京ガス、相模原市のカーボンニュートラル支援を行う連携協定締結

  9. ESG金融ハイレベル・パネル、金融によるグリーンな経済システム構築を宣言

  10. 世界銀行、24年度の気候変動融資は過去最高の426億ドル

  11. セブン-イレブンが本腰 サプライチェーン全体の脱炭素化で東京ガスと連携

  12. ブルーカーボン研究の第一人者に「日本国際賞」、国際科学技術財団

  1. 温室効果ガス排出量 (GHG Emissions)|用語集・意味

  2. 【気候変動と脱炭素ビジネス①】日本人が知らない環境危機と地球に配慮したクリーンなビジネスとは?

  3. カーボンファイナンス (Carbon Finance)|用語集・意味

  4. 追加性 (Additionality)|用語集・意味

  5. CCUSとは(Carbon Capture Utilization and Storage)二酸化炭素回収・利用・貯留|用語集・意味

  6. 再生可能エネルギー証書(REC)とは|用語集・意味

  7. 天然ガスを原料に1日1.7トンの水素を製造可能 カーボンニュートラル実現に向けて製造プラントが完成

  8. ボランタリー市場(Voluntary Carbon Market, VCM)|用語集・意味

  9. 脱炭素への取り組みを評価する世界基準となる「ACT」=低炭素移行評価の導入を支援する企業が、福岡市に設立されました。

  10. 炭素市場とは|用語集・意味

  11. 【超入門】世界の一流企業が本気で買い求める「カーボンクレジット」って何?(Apple/ディズニー/マイクロソフト/脱炭素/気候変動)

  12. トレーディングプラットフォーム (Trading Platform)|用語集・意味

  1. グリーンエネルギー (Green Energy)|用語集・意味

  2. 直接空気回収技術(DAC)とは|用語集・意味

  3. 森林再生 (Afforestation/Reforestation, A/R)|用語集・意味

  4. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  5. カーボンプライシングとは|用語集・意味

  6. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  7. 再生可能エネルギーとは|用語集・意味

  8. カーボンクレジット (Carbon Credit)|用語集・意味

  9. ベースライン (Baseline)|用語集・意味

  10. 削減プロジェクト (Reduction Project)|用語集・意味

  11. カーボンファイナンス (Carbon Finance)|用語集・意味

  12. 排出削減 (Emission Reduction)|用語集・意味