田中鉄工(佐賀県基山町)は4月21日、佐賀県佐賀市に対し、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の寄付を行ったと発表した。佐賀市は企業版ふるさと納税を活用し、家庭などから発生する使用済み食用油のリサイクルの実施費用に充てる。
地産地消エネルギーとして廃食油を活用
同市は2016年12月に、清掃工場を核にごみ焼却由来のCO2を用いる「持続可能な脱炭素・資源循環まちづくりプロジェクト」を開始。食品ロス削減や未利用バイオマスの活用、再エネや未利用エネルギーの普及などを通じて、「廃棄物であったものがエネルギーや資源として価値を生み出しながら循環するまち」を目指している。
家庭系廃食油のリサイクルもこの一環であり、市内に設置された回収BOXは101カ所(2024年4月時点)に及ぶ。廃食油は佐賀市の清掃工場でバイオディーゼル燃料として精製して市内のごみ収集車や市営バスの燃料に活用している。
なお、このプロジェクトでは今後、脱炭素施策に対する市民の行動変容分析・効果測定、家庭系廃食油回収を軸とした脱炭素施策・啓蒙活動などを行う予定だ。
土浦市でも企業版ふるさと納税による取り組みを始動
田中鉄工は、地域の家庭や飲食店などから発生した廃食油を、アスファルト合材の製造に使用する重油代替燃料として、その地域の誰もが利用する道路や歩道に還元するスキームを構築。このスキームを官民一体型の取り組み、「Roa(d)cal SDGs Project」として、北海道小樽市や佐賀県多久市など全国各地で展開している。
このほか、気候変動対策では、4月16日、事業構想大学院大学(東京都港区)、茨城県土浦市と、土浦市域において新規事業創出と人材育成を目的とするプロジェクトを開始すると明かした。この取り組みでも、企業版ふるさと納税を活用する。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/c5598b45-6892-4b9d-b568-0c8747676ed9