くにたちビジネスサポートセンターKuni-Biz(東京都国立市)は2月13日、農業分野におけるカーボンクレジットの創出に取り組むJizoku(同)が、一橋大学で初となる「一橋大学発ベンチャー」の称号を授与されたと発表した。
称号は2024年12月に同大が創設した制度で、授与された企業には、ロゴマークやインキュベーション施設の利用、広報協力、同学施設の住所による商業登記などの支援が大学から得られる。
カーボンクレジット創出分野では初の「地域循環型」を模索
Jizokuは、食糧生産機能に加えて、脱炭素機能や生物多様性保全機能など多面的機能がある農業に注目し、その評価手段としてカーボンクレジットの創出支援を行っている。
具体的には、米の生産者が水稲栽培で米を生産する際、途中で田んぼの水を抜いて土壌を乾かす作業である「中干し」を一定期間延長することで、メタンの排出を削減する。そのメタンの削減分を算定し、削減分をカーボンクレジットとして民間企業に販売する仕組みで、農家にとっての副収入にもなりえる。
Jizokuの特徴として、農業に特化したクレジット創出だけでなく、大手企業が購入したこのクレジットにより生まれた収益の一部を、地域活性化を行っている団体などに寄付をして、地方創生を促進させることがあげられている。これまで富山県黒部市と射水市で実績があり、Kuni-Bizによると、こうした活動をしているクレジット創出支援会社は日本ではないという。
また、秋田県湯沢市では、米農家の中干し延長で発行したクレジットを同市の宿泊施設や旅行業を通じてインバウンド旅行者に購入してもらう「地域循環型」のクレジット発行と消費という、全国でも例を見ないユニークな枠組みを、湯沢市などと連携して模索している。
「一橋大学発ベンチャー」について
今回の一橋大学の制度は、大学の教職員・学生等が起業したベンチャー企業に対して「一橋大学発ベンチャー/一橋大学発学生ベンチャー」の称号を授与し、大学とベンチャー企業との連携を通じて、研究成果などを社会に発信することを目的に、2024年12月に設立された。
Jizokuはその第1号となった。代表の片岡 慶一郎氏は、一橋大在学中にカーボンクレジットを活用した農村活性化について研究しており、研究を実証に移すためゼミのメンバーと一般社団法人Coを設立。卒業後に、農業など一次産業に特化したカーボンクレジット創出支援企業、Jizokuを設立した。
くにたちビジネスサポートセンターKuni-Bizは、国立市が運営する公的産業支援機関で、Jizokuの事業化などについて支援を行ってきた。小規模事業者・中小企業を対象に、売上向上や商品開発、事業計画など経営・事業・起業に関する相談を行っており(無料で1回1時間、何回でも可)小規模事業者などの事業化支援をしている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/74553343-61bc-4577-a714-6647bd3e6df7