国土交通省は11月5日、コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組みを評価する認証制度「CNP認証(コンテナターミナル)」に基づき、新たに大阪港・八戸港の2つのターミナルを認証した。同制度では、拠点ごとの脱炭素化の進捗をレベル1~5までの多段階で評価・認証している。大阪港は「レベル2++」、八戸港は「レベル1」にランク付けされた。
これまでに5つのターミナルを認定

CNP認証のロゴマーク(出所:国土交通省)
同制度は、脱炭素化に対応した港湾機能の高度化や水素・アンモニアなどの受入環境の整備などを図るカーボンニュートラルポート(CNP)の形成と推進を目的に、6月に運用を開始し、9月には5つのターミナルを認証した。
| 港・ターミナル名 (認証レベル) |
各レベル取得要件 | ターミナルの 取り組み状況 |
推奨項目(+)の詳細 |
|---|---|---|---|
| 大阪港夢洲コンテナターミナルC10、C11、C12 (レベル2++) |
港湾脱炭素化推進計画の作成 | 〇 |
|
| インバータ制御方式のガントリークレーンの導入(導入率10%以上) | 導入率100% | ||
| 低・脱炭素型トランスファークレーン・ストラドルキャリアの導入(導入率10%以上) | 導入率31% | ||
| LED照明の導入(導入率10%以上) | 導入率100% | ||
| 八戸港 多目的国際物流ターミナル (レベル1) |
港湾脱炭素化推進計画の作成 | 〇 | – |
CNP認証ターミナルの取得要件と取り組み状況(出所:国土交通省)
クレーンのハイブリッド化などを進める大阪港
大阪港(夢洲コンテナターミナル)は、岸壁延⾧(岸壁の長さ)1350m、水深15m~16m、ヤード総面積約73万9000m2を誇る3バース一体運用の高規格ターミナル。大型コンテナ船の寄港やコンテナ貨物の増加に対応するため、効率化が進められている。
大阪市は現在、官民の連携により大阪港の脱炭素化に注力し、近年は、タイヤ式門型クレーン(RTG)のハイブリッド化や構内照明と建物内のLED化、ゲート前の渋滞、ヤード内の滞留対策などに取り組んでいる。
今後はより上位の認証取得を目指す方針で、トランスファークレーンのハイブリッド型への更新では、2027年度末までに対象ターミナルの82%、2032年度末までに全数の切り替えを行う予定。
八戸港、脱炭素化推進計画作成でレベル1取得
八戸港(多目的国際物流ターミナル)は、5万t級のコンテナ船が接岸できる北東北エリアの国際物流拠点。
青森県は協議会を設置し、八戸港の港湾脱炭素化推進計画の作成しCNPの形成に取り組んでいる。ターミナル内の環境負荷低減に向けた取り組みとして、インバータ制御方式のガントリークレーンを導入するとともに、ヤード照明やガントリークレーン照明のLED化を推進している。貨物輸送における20ftコンテナ(TEU)当たりのCO2排出量は16.20kgsCO2/TEU。
【参考】
国土交通省―CNP認証(コンテナターミナル)第2弾~大阪港・八戸港のコンテナターミナルを新たに認証します~
大阪市―大阪港夢洲コンテナターミナル(C10~C12)においてCNP認証(コンテナターミナル)制度の認証を取得しました
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/1e961fe6-e366-4980-94fc-a7fc72366029