大阪ガス(大阪府大阪市)は11月13日、英国のカーボンクレジット格付会社であるSylvera Ltd(シルベラ社)と、カーボンクレジットの品質評価に関する業務提携を開始したと発表した。
大阪ガスが10月に開発した世界初の生成AIによるカーボンクレジット初期評価システムの精度向上に向け、シルベラ社が開発をサポートし、日本企業が取引・投資するカーボンクレジットの品質向上に向けた取り組みを推進する。
日本企業が取引・投資するカーボンクレジットの品質向上を目指し協業
大阪ガスが構築した同システムは、カーボンクレジット創出プロジェクトの計画書を生成AIで分析し、複数の基準との整合性を評価することで、カーボンクレジットの品質を数十秒という短時間で簡易チェックを可能にする。バイオ炭分野において適用が完了し、高い精度で実現したことが確認されている。
一方、シルベラ社は、炭素データプラットフォームおよびカーボンクレジット格付のリーディングカンパニーとして、カーボンクレジット創出プロジェクトの品質評価・格付を行うことで、企業のカーボンクレジット購入や投資のサポートを行っている。
今回の業務提携で、シルベラ社がAIシステムの対象範囲の拡大や精度向上に向けた大阪ガスの開発をサポートし、大阪ガスはシルベラ社の日本での事業展開を支援する。
カーボンクレジットの品質に対する適切な評価が求められている
各企業がカーボンニュートラル達成に向け、GHGの排出量をカーボンクレジットで相殺することが一般的な手法となっている。これを踏まえ、2030年には世界で最大100兆円規模のクレジットが必要だと試算されるなど、今後もクレジットの開発は加速していくことが見込まれる。
これに伴い、実際には環境への貢献が少ない、または存在しないにもかかわらず、環境効果を誇張したグリーンウォッシュへの対策や、価格の変動リスクを回避するという課題もあり、カーボンクレジットの品質について適切な評価が求められている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/d6779c56-c2ca-47e5-a4e1-6b86214578dd