東京都は6月9日、再生可能エネルギー電力由来のグリーン水素の販売・購入価格をそれぞれ入札により取り決めるダブルオークション方式で実施した、2025年度第1回「東京都グリーン水素トライアル取引」の価格などを公表した。
グリーン水素の取引機会創出と利用促進へ
この取り組みは、市場形式による水素取引を新たに試行するものであり、供給者の落札単価が利用者の落札単価を上回る場合には、都がその差額を支援する。グリーン水素の取引機会の創出と利用の促進を図ることを目的としており、日本取引所グループ(JPX)傘下の東京商品取引所(東京都中央区)が協定事業者として、オークションを実施している。
都と東京商品取引所は、2024年12月に、初めてグリーン水素のトライアル取引を実施し、その入札結果を公表している。今回はそれに続く2回目の試行取引となる。
入札結果の概要
今回の入札区分は、トレーラー輸送コース(1基2484Nm3)・カードル輸送コース(1基263Nm3)の2つ。7月中から9月末まで輸送を行う。入札結果の概要は以下の通り。
供給側落札単価
入札実施区分 | 入札者数 | 落札単価 |
(1)トレーラー輸送コース | 1者 | 280円/Nm3 |
(2)カードル輸送コース | 1者 | 355円/Nm3 |
利用側落札単価
入札実施区分 | 入札者数 | 落札単価 |
(1)トレーラー輸送コース | 2者 | 100円/Nm3 |
(2)カードル輸送コース | 3者 | 280円/Nm3 |
落札量
(1)トレーラー輸送コース | 期間中週2回輸送 |
(2)カードル輸送コース | 期間中計6回輸送 |
東京都グリーン水素トライアル取引事業とは
東京都は、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向け、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期社会実装化に取り組んでいる。その一環で、再生可能エネルギー電力由来の水素(グリーン水素)の利用拡大を図るため、水素取引所の立ち上げに向けた取り組みを進めている。
「東京都グリーン水素トライアル取引」は東京商品取引所(東京都中央区)ともに、2024年度から開始した。2025年1月には、「グリーン水素トライアル取引」成立と水素の供給開始を記念したセレモニーを開催している。
また、都は、東京都内でグリーン水素を率先して利用した事業者を認証し、グリーン水素の利用量に対する奨励金を支給する「グリーン水素率先利用事業者認証制度」を実施している。
水素取引量の考え方について
この取り組みにおけるグリーン水素取引額は、利用側落札単価×水素取引量となる。水素取引量は、輸送したグリーン水素に対する実際の使用量とする。トレーラーは、交換後の容器内に残存する水素から使用量を測定する精算を実施、カードルは、1基の容量のうち所定の数量を固定の使用量として確定する。トレーラーコースの精算を実施し、この取り組みの輸送完了後に水素取引量を確定する。
なお、2024年度に実施したトライアル取引(前回)からの入札方法の変更点として、今回は、供給側においてもコース毎に入札することとした。前回、供給側は各コース共通の価格を入札、利用側はコース毎(トレーラーコース・カードルコース毎)の価格を入札することとしていた。
【参考】
東京都-令和7年度第1回東京都グリーン水素トライアル取引 入札結果
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/405114a5-2bc1-45d0-96f4-29a6b96f7eed