白鶴酒造(兵庫県神戸市)は4月2日から、発酵由来CO2を活用し植物を栽培する実証プロジェクトを開始した。
この実証は、酒造りで発生するCO2を活用し、植物を育てるというもので、兵庫県が主催する「ひょうごオープンイノベーションマッチング2024」でマッチングした、植物工場を専門とするスタートアップのスパイスキューブ(大阪府大阪市)と共同で実施する。
DACを活用し、発酵由来のCO2を回収
日本酒のアルコール発酵では副産物としてCO2が発生する。今回のプロジェクトでは、白鶴酒造資料館内にあるマイクロブルワリー「HAKUTSURU SAKE CRAFT(ハクツルサケクラフト)」から発生する発酵由来CO2を、DAC技術により回収し、そのCO2を利用してスパイスキューブが開発する室内農業装置「AGROT(アグロット)」でバジルやシソ、ミントなどの植物を育成する。
大気中よりも高濃度のCO2環境下では、植物の光合成能力や水利用率が向上することが知られている。今回AGROTを活用したスキームにより、発酵由来CO2を植物の生長に適した濃度で供与することで、品質・収量などの向上が期待できるという。

実証のスキーム(出所:スパイスキューブ)
プロジェクトで育てた植物は、クラフトジンなどの原料として活用する計画で、この取り組みを通じて、「酒造りの副産物を酒造りに生かす」という循環型でサステナブルな仕組みの実現を目指す。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/f545321c-eda1-44b7-b75a-b33e8b48afad