竹中工務店(大阪府大阪市)は6月18日、同社グループの環境戦略を解説したコミュニケーションツール「環境戦略2050パンフレット」を制作し、公開した。パンフレットでは、「脱炭素」「資源循環」「自然共生」の取り組みについて分かりやすく解説している。
キーワードは「リジェネラティブ・ワークス」
同社は、これまでもサステナブルな社会を次世代につなぐ「サステナブル・ワークス」を展開してきたが、予測を超える速度で地球環境が劇的に変化する状況下では、これだけの活動では不十分であり、人・組織・社会システムのあらゆる領域でポジティブな影響を生み出す「リジェネラティブ(再活性)」に基づく考え方と行動「リジェネラティブ・ワークス」が必要だとし、4月に、リジェネラティブでウェルビーイングな未来の実現を目指す「環境戦略2050」を策定した。
同社は、作成したパンフレットを通じて、同戦略の内容を広く発信し、環境課題の解決に向けステークホルダーとの対話と協働を促進していく。パンフレットの概要は以下の通り。
脱炭素化の取り組み
脱炭素化に向けて、顧客と一体となった建築から運用・解体までのCO2(ホールライフカーボン)の削減、顧客の脱炭素化経営に貢献する建築運用時のCO2(オペレーシナルカーボンン)の削減、低炭素資材の採用による建設時のCO2(アップフロントカーボン)の削減に取り組む。
ホールライフカーボン削減の項目では、その評価につなげるプラットフォームとして開発した「Z-CARBO(ジカーボ)」を、低炭素資材の採用では、低炭素電炉鋼材、低炭素コンクリート、木造・木質建築の事例を掲載している。

脱炭素化戦略とロードマップ(出所:竹中工務店)
資源循環の取り組み
同社は、建築やその周辺事業において、「つくる循環」「つかう循環」「つなぐ循環」の3つの循環の取り組みを実装する「サーキュラーデザインビルド」を推進していく。「つくる循環」では、資源消費の最小化と廃棄物を生み出さない設計・施工・事業活動を行う。

資源循環戦略とロードマップ(出所:竹中工務店)
自然共生の取り組み
グリーンインフラのプロジェクトへの実装とさらなる技術開発を進め、2030年のネイチャーポジティブの実現に向けた顧客の課題解決に貢献、自然と共生するまちづくりを展開する。
まちづくりでは、研修所敷地内にある放置林を生物多様性の保全・回復を図るとともに、実践・検証フィールドと位置付け体験型研修を実施していく。

自然共生戦略とロードマップ(出所:竹中工務店)
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/ca894d91-6b7e-4275-88b0-a159149d2693