米Appleは4月16日、グローバル全体のGHG排出量を2015年比で60%以上削減したと発表した。この取り組みは、今後5年間でApple全体のカーボンフットプリント(CFP)をカーボンニュートラルにするという「Apple 2030」の一環として実現したもの。
Apple、カーボンオフセットよりもGHG排出量削減を優先
同社では、2030年に向けた戦略として、残りのGHG排出量を相殺するカーボンクレジットの使用の前に、排出量を基準となる2015年と比べて75%削減することを優先している。
2024年には、サプライチェーンの再エネ電力への継続的な移行や再生素材を積極的に利用した製品設計などを含むCFP削減に向けた包括的な取り組みにより、推定4100万トンのGHG排出量を回避した。特にサプライヤー企業の再エネ調達の効果が大きく、2023年の調達量から17%以上増加、2180万トン分の回避に貢献した。なお現在、同社のグローバルサプライチェーンでは、17.8GWの再エネ電力が常に利用可能だという。
再生材活用や廃棄物、節水などの環境プロジェクトの進捗も公表
また、同社は今回、GHG削減の成果とともに、再生素材や再生可能素材の利用拡大や廃棄物ゼロプログラム、水資源の有効活用など、そのほかの環境に関する取り組みの進捗も併せて発表した。
再生素材および再生可能素材の利用では、今年初頭までに「同社におけるすべてのマグネットに100%再生希土類元素を使用」、「同社製全バッテリーに100%再生コバルトを使用」するという目標を掲げているが、すでに99%以上を達成していると明かした。
廃棄物ゼロ実現に向けては、サプライヤー企業とともに推進している「廃棄物ゼロプログラム」により、2024年は約60万トンの廃棄物が埋め立て処理を免れたと報告している。2015年のプログラム開始以来、廃棄物回収量は累計360万トンに上る。
節水や水の再利用を目的に2013年に開始した「Supplier Clean Water Program」。2024年は140億ガロンの水を節約した。現在は、米国・インド・アフリカにおいて供給プロジェクトを展開中で、今後20年間にわたり、90億ガロン近い水を供給する予定だ。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/b3162261-6bbc-445c-8bea-af9fa9378f0c