速水林業とバイウィルが、森林クレジットの創出に向けて契約を締結

日本で初めて「FSC森林認証」を取得した速水林業とともに、森林経営によるJ-クレジット創出を通して、森林保全と地域の脱炭素に貢献

日本全国47都道府県のカーボンニュートラル実現を目指す株式会社バイウィル(本社:東京都中央区、代表取締役社長:下村 雄一郎、以下「バイウィル」)は、速水林業(本所:三重県北牟婁郡)代表の速水亨氏と、適切な森林管理によるJ-クレジット(*1)創出・販売に向けた契約を締結しました。

本契約により、速水林業が管理する森林からのJ-クレジット創出について、申請手続きから販売先の探索までを一貫して受託・代行します。森林の価値を高めることを目指す速水林業とともに、この取り組みを通じて森林保全と地域の脱炭素を推し進めます。

速水林業が管理する森林。適切に間伐され、太陽が差し込む。

*1:J-クレジットとは、省エネ設備の導入や再生エネルギーの活用等、事業者による脱炭素活動により得られたCO2等の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証したもの。発行されたクレジットは他の企業等に売却することでき、購入者はカーボンオフセットに活用することができる。

【締結日】
2024年9月7日 (土)

【具体的な取り組みと今後の展望】
バイウィルは、速水林業が適切に管理する森林によるCO2吸収量を、J-クレジットとして申請する手続きおよび申請費用を負担します。

簡易算定の結果、認証対象となる8年間のCO2吸収量は37,277 t-CO2を見込んでおり、2025年度中頃のプロジェクト登録を目指し、手続きを進めてまいります。

創出したJ-クレジットの販売収益は、さらなる森林保全および森林資源の持続に役立てます。また、J-クレジットは地産地消を優先することで、地域の脱炭素に貢献します。

【締結の背景】
カーボンニュートラル実現に向けては、自身で削減しきれない排出量をカーボンクレジットで埋め合わせる「カーボンオフセット」がひとつの有効な手段です。ですが、カーボンクレジット創出には費用や手間がかかるうえ、販売への不安も創出者の負担になります。
そこでバイウィルは、創出手続きや申請費用、販売先の探索も代行することで、J-クレジットなどカーボンクレジットの創出と流通を支援しています。

カーボンクレジットによって環境価値と経済価値を循環させることで資金を還元し、地域の事業者や個人のさらなる脱炭素への取り組みを後押しするサイクルを目指しています。

【速水林業の取り組み】
速水林業は、江戸時代後期の寛政2年(1790年)に創業。現在は約1070haもの森林を所有し、「日本農業遺産」にも認定された尾鷲市・紀北町で「尾鷲ヒノキ」などを育てています。

長年にわたり環境に配慮した森林経営を実践し、日本における持続可能な林業の発展に貢献してきました。2000年2月には、日本で初めてとなるFSC認証(*2)を取得し、環境配慮型の森林経営において日本を代表する存在です。速水林業の森林には、林業関係者をはじめとして毎年約2000名が見学に訪れます。

FSC認証を受けている尾鷲ヒノキの丸太

FSC認証を受けている尾鷲ヒノキの丸太

代表の速水亨氏個人も、持続可能な森林経営をコンサルタントとしてサポートしたり、森林全体の価値を高めるマネジメントができる人材を育てるための「林業塾」という講座を開催したりと、理想的な林業を広めるための活動を行っています。

今回、管理する森林から新たな価値を生み出し、地域の環境・脱炭素への貢献を進めるとともに収益を得られることが持続可能な森林経営の一助になるとして、J-クレジット創出を開始するに至りました。

*2:FSC認証とは、持続可能な森林活用・保全を目的として「適切な森林管理」を認証する国際的な制度。認証を受けた森林からの生産品による製品にはFSCロゴマークがつけられる。消費者がFSC認証を受けた製品を選ぶことで、適切な森林管理を行う林業者や地域を支援し、その生産品を原材料として使う企業や事業者を支持することになり、世界全体の森林保全へとつながる。  

【引用】
時事ドットコムニュース.  https://www.jiji.com/jc/article?k=000000192.000013100&g=prt

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