東京都は12月23日、2050年の「ゼロエミッション東京」実現に向け、区市町村の地域特性などを踏まえた取り組みと都の重点施策を一体的に展開するプロジェクト「ゼロエミッション地区(ゼロエミ地区)創出プロジェクト」に関して、千代田区と江戸川区を選出したと発表した。両区は今後、都の支援を受けながら、RE100電力導入や再エネの地産地消などを進める方針。
千代田区は新築・大規模改修時のZEB化などを推進

都内のGHG排出量「2030年50%削減、2035年60%以上削減」を目指す東京都
商業地として賑わう千代田区は、GHG排出量のうち業務部門によるものが約8割、電気由来が約8割を占め、業務ビルの再エネ化が最優先課題となっている。
こうした中、同区は9月に、「神田錦町南部地区まちづくりガイドライン」を策定。まちづくりの核として、再開発事業を実施。整備される建築物は建築物の新築・大規模改修時のZEB化やBEMS・DRなど、さまざまな脱炭素施策が予定されている。このほか、Airソーラー導入や「Eサイクルちよだ」の重点地区としてRE100電力の導入、既存建築物の省エネ改修、蓄電池整備による余剰電力融通などを検討している。
同区は、計画を通じて、2030年までに再エネ電力6000万kWh導入(全体の55%強)、ZEB化や省エネ設備導入により150万kWhの電力削減、脱炭素経営を実践する企業が35社以上(中小企業の1割強)を目指す。
対象エリアは、千代田区神田錦町南部地区。

破線が再開発事業予定地区(出所:東京都)
地域新電力・江戸川電力による再エネの地産地消
今回、江戸川区の「ゼロエミ地区」に選ばれた対象エリアは、東小松川3・4丁目、松江5丁目、船堀4丁目は、市街地・工業エリアに該当し、GHG排出量は区内全体の2%超を占め、区内でも特に排出量の多い地域となっている。
同区は2024年度から、対象エリアで地域脱炭素に関する勉強会を定期的に開催し、ゼロエミッション地区の創出に向けた機運が醸成されているという。
今後は、地域エネルギー会社として12月に設立された江戸川電力(東京都江戸川区)が中心となり、江戸川区産電力を活用した再エネの地産地消を行う。また、工場を対象に、脱炭素経営モデルの導入や、千葉県匝瑳市と連携し、地域共生型再エネ電源を拡大していく。
2030年までの達成目標は以下の通り。
- 地産地消再エネの導入量:2.161GWh
- 区外からの再エネ導入量:30.1GWh
- 省エネ診断の実施件数:36件

(出所:東京都)
最長5年間、上限10億円を補助する「ゼロエミッション地区創出プロジェクト」
都は、都内のGHG排出量を、2030年50%削減、2035年60%以上(いずれも2000年比)削減することを目指し、「ゼロエミッション東京戦略Beyond カーボンハーフ」の下、実効性ある取り組みを戦略的に展開している。
2025年度は、都独自の「ゼロエミ地区」創出を掲げ、区市町村の面的な脱炭素化を最長5年間財政支援するとともに、各主体の取組や合意形成等を伴走支援する「ゼロエミッション地区創出プロジェクト」を立ち上げ、10月20日から12月1日まで区市町村からの計画提案を募集していた。予算は40億円で1事業当たりの上限は10億円。現在も申請受付中である。
【参考】
東京都―令和7年度「ゼロエミッション地区創出プロジェクト」選定結果について
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/0db60d0e-a0a2-452f-a458-a96f22f5d27a