2023年度エネルギー起源CO2排出量、前年度比4.8%減の9.2億トン

資源エネルギー庁は11月22日、2023年度エネルギー需給実績(速報)をとりまとめ公表した。エネルギー起源CO2排出量は、前年度比4.8%減、2013年度比では25.9%減となる9.2億トンと、1990年度以降の最小を更新した。

再エネは11年連続で増加

2023年度は、エネルギー消費総量減と非化石燃料増で2年連続の減少となった。部門別にみると、企業・事業所他が前年度比5.6%減、家庭が7.8%減、運輸が0.8%減。電力のCO2原単位(使用端)は、前年度比4.1%減となる0.45kg-CO2/kWhだった。

最終エネルギー消費は1万1476PJ(ペタジュール)で、前年度比3.0%減。うち都市ガスが4.1%減、石炭が4.0%減、石油が2.9%減、電力が2.5%減となった。一次エネルギー国内供給は1万7550PJで、前年度比4.1%減。化石燃料が7.0%減った一方で、非化石燃料は10.6%増と、再エネ(水力を含む)は11年連続で増加した。

(出所:経済産業省)

(出所:経済産業省)

また、エネ庁は今回、各種エネルギー関係統計などを基に、2023年度の総合エネルギー統計速報を作成し、エネルギー需給実績として取りまとめた。

最終エネ消費はいずれの部門でも減少

最終エネルギー消費(前年度比3.0%減)の部門別の結果では、企業・事業所他が3.5%減(うち製造業は3.7%減)、家庭が4.4%減、運輸が0.6%減(うち旅客が0.6%減、貨物が0.4%減)となった。

電力消費は、企業・事業所他が2.5%減(うち製造業は2.9%減)、家庭が2.7%減。企業・事業所他部門は製造業の生産活動停滞などにより減少、家庭部門もテレワーク実施率の低下の影響などで減少、運輸部門は微減となった。

(出所:経済産業省)

(出所:経済産業省)

一次エネ国内供給の非化石燃料シェアは19.2%

一次エネルギー国内供給(前年度比4.1%減)をエネルギー源別に見ると、化石燃料は、石炭が8.4%減、天然ガス・都市ガスが7.9%減、石油が5.5%減といずれも減少し、化石燃料全体で7.0%減だった。化石燃料のシェアは80.8%を占めた。

非化石燃料では、原子力が51.2%増、水力を除く再エネ(水力を除く)は5.5%増。非化石燃料全体は10.6%増で、非化石燃料シェアは25年ぶりの高位となる19.2%まで上昇した。

(出所:経済産業省)

(出所:経済産業省)

発電電力量シェアは再エネが22.9%

発電電力量は前年度比1.6%減(9854億kWh)となり、2010年度以降で最小となった。非化石発電比率は、東日本大震災以降で初めて30%を超え、31.4%まで上昇した。

発電電力量の構成は、水力を含む再エネが22.9%(1.0%ポイント増)、原子力が8.5%(2.9%p増)、バイオマスを除く火力が68.6%(4.0%p減)。

エネルギー自給率(IEAベース)は、前年度比2.6%p増と東日本大震災以降で最高の15.2%。石油依存度(石油国内供給/⼀次エネルギー国内供給)は35.6%(前年度比0.6%減)、化石エネルギー依存度(化石エネルギー国内供給/⼀次エネルギー国内供給)は80.8%(前年度比2.6%減)となった。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/a58eaeba-4a63-434b-bb22-7662426265c1

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. 衛星データを活用し森林由来クレジット算定 MUFGの実証に新規企業が参画

  2. The Climate Board、カーボンクレジット市場の新たな研究を公表

  3. フェイガーの「バイオ炭の農地施用」プロジェクト、Jクレジット承認を取得

  4. ベトナム・サトウキビ畑の農地管理改善でカーボンクレジット創出 出光ら実証

  5. TotalEnergies、米国の森林保護に1億ドルを投資し、気候変動対策を強化

  6. アジアの脱炭素化へ 第2回AZEC首脳会合、今後10年の行動計画に合意

  7. 英国政府、285億ドルの巨額の炭素回収投資を実施

  8. 産学官でカーボンリサイクル推進 CRFが進捗公表、社会人向け講座開催など

  9. 日本郵船、DACCSによるCO2除去クレジット付き船舶燃料を導入

  10. ICROA(国際カーボン削減・オフセット同盟)、最善実践のための規範コードを更新

  11. 京都府、「非化石証書」共同購入事業を継続 安価・簡易に環境価値調達を支援

  12. 2023年のカーボンプライシング収益、15兆円に到達 – 世界銀行の年次報告

  1. 再生可能エネルギー証書 (Renewable Energy Certificate, REC)|用語集・意味

  2. カーボンニュートラル (Carbon Neutral)|用語集・意味

  3. ゴールドスタンダード認証温室効果ガス削減プロジェクト(Gold Standard Voluntary Emission Reduction, GS VER)|用語集・意味

  4. 京都議定書|用語集・意味

  5. 【脱炭素】ディズニーも施策を加速中

  6. 天然ガスを原料に1日1.7トンの水素を製造可能 カーボンニュートラル実現に向けて製造プラントが完成

  7. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  8. カーボンリムーバル(Carbon Removal)|用語集・意味

  9. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  10. グリーン成長戦略とは|用語集・意味

  11. 来月、閉鎖されるENEOSの和歌山製油所の跡地が、脱炭素社会のモデル地区として再整備されることになりました。

  12. バイオマスとは|用語集・意味

  1. 追加性 (Additionality)|用語集・意味

  2. 生物炭 (Biochar)|用語集・意味

  3. カーボンニュートラル (Carbon Neutral)|用語集・意味

  4. カーボンニュートラルとは|用語集・意味

  5. 排出権取引 (Emissions Trading)|用語集・意味

  6. ネットゼロ (Net Zero)|用語集・意味

  7. カーボンファイナンス (Carbon Finance)|用語集・意味

  8. 【脱炭素】ディズニーも施策を加速中

  9. 直接空気回収技術(DAC)とは|用語集・意味

  10. 再生可能エネルギー証書(REC)とは|用語集・意味

  11. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所

  12. 森林再生 (Afforestation/Reforestation, A/R)|用語集・意味