兼松(東京都千代田区)は10月23日、出光興産(同)など7社とともに、「水田JCMコンソーシアム」を組成したと発表した。間断灌漑技術(AWD)を活用し、JCMクレジットの普及拡大を図る。コンソーシアムを組成しての取り組みは、日本初となる。
企業間連携により、農業分野におけるJCM普及拡大目指す
同コンソーシアムには、兼松・出光興産のほか、Green Carbon(東京都千代田区)、芙蓉総合リース(同)、三菱UFJ信託銀行(同)、損害保険ジャパン(同・新宿区)、大阪ガス(大阪府大阪市)、東邦ガス(愛知県名古屋市)が参画する。
各社は、フィリピンで推進するAWDを活用したプロジェクトにより、米収量の変化や天候による影響などを分析し、パートナー国との農業分野におけるJCMの普及拡大に貢献することを目指す。また今後は、コンソーシアムの会員企業の拡大を図っていく。
環境省・農水省が取り組みを支援
なお、同コンソーシアムには、オブザーバーとして環境省と農林水産省が参加する。両省は、「JCMにおいて、AWDはGHGの大幅な削減が期待できる技術分野であり、自然を活用した解決策(NbS)の先行事例としても重要」とし、「企業同士でオープンに連携した取り組みが持続的に発展していくことを願う」とコメント。民間JCMの取り組みを日本政府全体として後押ししていく。
稲作(水田)由来のメタン削減が目下の課題
農林水産省によると、世界のGHG排出量のうち約22%は、農林業などの土地利用に由来する。アジアでは、稲作が最大の排出要因であり、フィリピンにおいても約7割が水田由来のメタンだという。
日本およびフィリピン両政府は、2024年1月にJCMにおけるAWDの方法論開発についての検討を開始するとともに、現地プロジェクトに着手。2025年2月には、AWDによる水田メタン削減の方法論が正式に承認され、世界初の農業JCMクレジット発行が可能となった。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/cd16f636-5584-4e7f-ba6a-26d190805e31