米国に本部を置く電気・情報工学分野の学術研究団体のIEEE(アイ・トリプル・イー)は12月26日、EVの展望をとりまとめ発表した。この中では、充電ネットワークの拡大など、EVに関するさまざまなトピックスについて掘り下げている。
インフラ整備や蓄電池開発コスト軽減などに課題
同団体によると、多くの地域でEV普及を妨げている要因の一つが充電インフラの未整備だという。特に、米国・ブラジル・中国など国土が広大な国では、充電ステーション建設に加え、送電線の改修が不可欠であるとし、少なくとも5年、最大15年程度の期間を要すると分析する。
リチウム電池の性能については、この15年で飛躍的な進歩を遂げたと指摘。2008年当時、1リットル当たり55Whだったリチウム電池のエネルギー量は、2020年には450Wh、現在は750Whまで向上したという米エネルギー省のデータを紹介している。
その一方で、リチウム電池はリチウム採掘に伴う環境問題やコストの高さという課題があるため、ナトリウムイオン電池など、より安価な代替材料の活用も選択肢の一つとの見方を示した。
このほか、提言では、未だ改善されないリチウム電池リサイクルの現状などを挙げ、EVの普及拡大には依然として多くの障害が立ちはだかっていると解説する。一方で、技術は急ピッチで進化しており、今後数年間で次のレベルに引き上げられる可能性があるとまとめている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/6c1fbcb6-58dc-4686-85d0-8fc2cb1ad3ae