ベトナムは気候変動対策の一環として、炭素クレジット市場で重要な成果を上げ、5,100万ドル以上の成果報酬を受け取りました。これは、森林炭素パートナーシップ基金(FCPF)からの支払いであり、ベトナムが森林破壊の防止や再植林を通じて炭素排出を削減したことに対する報酬です。ベトナムは東アジア太平洋地域で初めてこの成果連動型支払いを受けた国であり、この成果は持続可能な開発を促進する国際的な取り組みの一環とされています。
支払いは2018年から2019年にかけて1,030万トンのCO2削減を達成したことを評価したもので、ベトナムはこの期間中にさらに1,620万トンの排出削減を実現しました。これにより、ベトナムは二国間取引やカーボンクレジット市場での販売を通じて利益を得ることが可能になります。
ベトナム政府は、2050年までにネットゼロ排出を達成することをCOP26で約束し、その達成に向けた戦略を強化しています。この取り組みには、2030年までに70%の排出削減と炭素吸収量の増加を目指す目標が含まれており、森林の保全と持続可能な管理がその中心に位置しています。
FCPFは2008年に設立され、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの47カ国と協力し、REDD+の取り組みを支援しています。このファンドは、REDD+活動に対する準備資金を提供する「準備基金」と、具体的な排出削減に対して成果報酬を提供する「炭素基金」の2つの仕組みで運営されています。これにより、持続可能な森林管理と排出削減を促進し、環境保全に貢献しています。
ベトナムの成功は、REDD+プログラムが気候変動対策において重要な役割を果たすことを示しており、他の国々にとってもモデルとなるでしょう。この取り組みは、持続可能な開発と環境管理における国際的な努力の一環として、今後も注目を集めることが予想されます。
【引用】
carboncredits.com. World Bank Pays Vietnam Over $51 Million in Carbon Credits