合成燃料で万博シャトルバス、ENEOSが水素とCO2で製造 国内初

ENEOS(東京都千代田区)、西日本ジェイアールバス(西日本JRバス/大阪府大阪市)、日野自動車(東京都日野市)は2月19日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催期間中に、カーボンニュートラルな合成燃料を使用した「万博シャトルバス」を走行すると発表した。水素とCO2から一貫製造した合成燃料を営業車両の運行に使用するのは国内初の取り組みとなる。

2024年9月完成の実証プラントで製造した合成燃料、1日10便を運行

万博シャトルバスは、大阪駅から大阪・関西万博会場間において運行する。1日19便のうち、10便で合成燃料を使用する予定。期間は4月13日~10月13日。

ENEOSは、2024年9月に中央技術研究所(神奈川県横浜市)内に完成した実証プラントで製造した合成燃料を万博シャトルバスに提供する。西日本JRバスが、シャトルバスを運行。日野自動車は、合成燃料と車両やエンジンの適合性を確認し、万博シャトルバスの運行に向けてサポートする。

シャトルバス乗車場の「うめきたグリーンプレイスバス駐車場」周辺イメージ図(出所:西日本旅客鉄道)

シャトルバス乗車場の「うめきたグリーンプレイスバス駐車場」周辺イメージ図(出所:西日本旅客鉄道)

GI基金事業で合成燃料製造技術を開発

合成燃料は、再生可能エネルギー由来の水素とCO2を合成して製造される燃料をいう。原料製造から製品利用までの製品ライフサイクル全体において、CO2排出量を抑えることができるカーボンニュートラル燃料だ。

ENEOSは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「グリーンイノベーション基金(GI基金)」事業において、CO2からの合成燃料製造技術の開発に取り組んできた。また、この事業のもと、2024年9月、中央技術研究所内において、原料から合成燃料を一貫製造できる国内初のプラントを完成させ、実証運転を開始した。実証プラントの製造規模は1バレル(約159リットル)/日。原料となるCO2フリー水素を製造する過程においては、非化石証書(再エネ指定有)の電力を調達し、日本で初めてグリーン電力が使用される。また、製造した合成燃料は、大阪・関西万博での大型車両走行実証等に活用されることが予定されていた。

「EXPO2025グリーンビジョン」の達成に貢献

大阪・関西万博は4月13日~10月13日に大阪の人口島「夢洲(ゆめしま)」で、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催される。「EXPO2025グリーンビジョン」を掲げ、SDGs達成の目標年である2030年に向けて、持続可能社会や循環経済(サーキュラーエコノミー)を実現するイベントを目指している。

ENEOS、西日本JRバス、日野自動車の3社は、合成燃料を使用した万博シャトルバスの運行を実現することで、このビジョンの達成に貢献していく。

多くの企業が、大阪・関西万博で実施する持続可能、脱炭素、資源循環の取り組みを発表している。たとえば、コカ・コーラ ボトラーズジャパン(東京都港区)と富士電機(同・品川区)は会場において、水素カートリッジを使用した自動販売機を1台設置する予定。大阪ガス(大阪府大阪市)と三菱重工業(東京都千代田区)は、水素とCO2から製造したe-methane(e-メタン)の環境価値管理・移転を行う都市ガス業界初のデジタルプラットフォームを大阪・関西万博で実装することを発表している。また、サントリー(大阪府大阪市)は、再生農業原料を使用したビールを会場内レストランにて提供することを発表している。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/3b4002c5-90a9-4bbb-84c5-bcc4bc7ad547

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