富山県は2月21日、今すぐGXを実践するためのヒント・ノウハウをわかりやすく紹介した富山県版「GX取組み手引書~脱炭素社会を生き残るために~」を公表した。
県内企業の調査で、脱炭素への対応の必要性を認識しつつも、実践に踏み切れていないことが浮き彫りになったことを受け、実用性の高い手引書として作成。対応の遅れによる競争力の低下や経営リスクの回避に役立てる。手引書は同県ウェブサイトより入手できる。
実践型の手引書、取り組み事例を多数掲載
この手引書には、GXに向けた企業の取り組みみの実践を後押しするため、脱炭素経営の必要性をはじめ、実践のステップ、温室効果ガス(GHG)排出量の計算方法をわかりやすく紹介している。また、各種支援制度に係る情報、先進事例などを掲載している。県内外の中小・大企業91社の取り組み事例を収取し、業種別・従業員規模別・取り組み内容別などで整理し、必要な情報にアクセスすることができる。
「何から始めたらよいかわからない」に対応
世界的にカーボンニュートラルの機運が高まる中、大企業だけではなく中小企業においても「脱炭素」への対応が求められている。一方、富山県内では、企業へのアンケート調査から、多くの企業が対応の必要性を認識しつつも、「何から始めたらよいかわからない」などの理由から排出量の把握や削減の取り組みの実践に至っていないことがわかった。対応の遅れに伴う競争力の低下、経営への影響などのリスクが懸念されている。そこで、富山県は、県内企業の実務担当者の意見などを反映し、使いやすく、実用性の高いものを目指して、今回の手引書を作成した。手引書は富山県のウェブサイトより閲覧・ダウンロードできる。
手引書の概要
手引書の目次は以下の通り。
- 脱炭素経営に取り組んでみよう:「設備が古くなってきた」「採用が難しい」「エネルギーの コストが高い」などの経営課題を、脱炭素化を切り口に解決することを提案。脱炭素経営の必要性を紹介
- 実効的な脱炭素経営の取り組み:脱炭素経営に必要なサイクルやGHG排出量の計算方法などについて解説
- (中~上級編)GX系のイニシアティブに参加しよう:パリ協定が求める水準と整合した、化学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標を「Science BasedTargets(SBT)」という。通常版SBTに比べて負担が少なく容易に着手できる中小企業向けSBTや、企業における気候関連のリスクおよび機会の情報開示を促す枠組み「TCFD提言」、環境省が定めた中小企業向けの環境経営システムに関する第三者認証・登録制度「エコアクション21」などについて紹介
- 削減目標を考えてみよう:「中小企業向けSBT」を参考に、削減目標の考え方を紹介
- 脱炭素経営に取り組む企業の事例を見てみよう:業種別と個社別に取り組み事例を紹介
県内企業2,000社にアンケート調査を実施
富山県は2024年に、県内の企業2,000社(地球温暖化対策法と省エネ法に基づく国への報告制度の対象企業を除く)を対象に、事業者の脱炭素化に向けた取り組みに関するアンケート調査を実施した。回収率は46.7%(933社)。なお、地球温暖化対策法と省エネ法に基づく国への報告制度は、温室効果ガスを多量に排出する事業者を対象としている。
この調査結果では、脱炭素化(CO2などの削減)に向けた取り組み状況について、「必要性を認識しているが、現状では難しい」との回答が52.0%を占め、最も高かった。「現在、脱炭素化の取り組みを進めている」は20.2%だった。
「自社の温室効果ガスの排出量を把握・公表しているか」を聞いた設問では、90.1%が「把握していない」と回答した。「把握しているが、公表していない」が6.7%、「把握し、公表している」が3.2%で、自社の温室効果ガスの排出量を把握している企業は約1割だった。
【参考】
・富山県―富山県版『GX取組み手引書~脱炭素社会を生き残るために~』を作成しました
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/dab5d713-abaf-43e8-af83-e4c71dee2f36