GHG排出量、前年度比4%減の5.9憶tに 特定排出者の2022年度実績

環境省と経済産業省は4月1日、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」において、特定排出事業者から報告のあった2022年度の温室効果ガス(GHG)排出量を集計し公表した。

これによると、GHGを多く排出する事業者(特定排出者)による2022年度のGHG排出量は5億8647万t‐CO2で、前年度から2711万t‐CO2(約4%)の減少となった。

特定排出者から報告された排出量の内訳

同制度では、すべての事業者からの報告情報などをウェブサイトにて公表しており、事業者別排出量等については、自主的な公表値として、特定排出者が国に報告したGHG排出量や排出削減に向けた対策の実施状況などの情報を掲載している。

2022年度に報告を行った事業者(事業所)数は、特定事業所排出者が1万2044事業者(1万5258事業所)、特定輸送排出者が1335事業者だった。

特定排出者全体の排出量は、特定事業所排出者から報告された排出量(1)と、特定輸送排出者から報告された排出量(2)を合計したもので、詳細は下記のとおり。

◎特定事業所排出者の概要

2022年度 2021年度
報告事業者数 (報告事業所数) 1万2044事業者(1万5258事業所) 1万1963事業者(1万4915事業所)
報告排出量の合計(1) 5億5951万tCO2 5億8797万tCO2
調整後排出量(※) 5億3050万tCO2 5億6813万tCO2

※調整後排出量:事業者が事業活動に伴い排出した温室効果ガスの排出量を、国内認証排出削減量等の無効化量、廃棄物の原燃料使用に伴う排出量等を控除等して調整したもの。
(出所:環境省)

◎特定輸送排出者の概要

2022年度 2021年度
報告事業者数 1335事業者 1321事業者
報告排出量の合計(2) 2695万tCO2 2562万tCO2

(出所:環境省)

特定事業所の業種別算定排出量、製造業が7割以上

2022年度特定排出者(特定荷主を除く)別の算定排出量内訳をみると、特定事業所排出者が95.4%を占める。

2022年度の特定事業所排出者の算定排出量を業種別にみると、鉄鋼業が28.5%、化学工業が12.6%、窯業・土石製品製造業が9.0%など、製造業からの排出量が75.9%を占めた。

2022年度 業種別の算定排出量【特定事業所排出者】(出所:環境省)

2022年度 業種別の算定排出量【特定事業所排出者】(出所:環境省)

また、2022年度の特定事業所におけるGHGの種類別の算定排出量内訳をみると、エネルギー起源CO2が85.9%を占めている。

2022年度 特定事業所における温室効果ガスの種類別の算定排出量内訳(出所:環境省)

2022年度 特定事業所における温室効果ガスの種類別の算定排出量内訳(出所:環境省)

前年度はコロナ禍からの回復でGHG排出が増加

2018~2022年度の特定事業所におけるGHGの排出量の推移をみると、2018年度から減少傾向にあった算定排出量が2021年度は増加に転じたが、2022年度は2021年度より減少した。

2018~2022年度 特定事業所における温室効果ガスの種類別の算定排出量内訳(単位: 百万tCO<sub>2</sub>)(出所:環境省)

2018~2022年度 特定事業所における温室効果ガスの種類別の算定排出量内訳(単位: 百万tCO2)(出所:環境省)

環境省によると、2021年度国内GHG排出・吸収量は、コロナ禍からの経済回復によって、4年ぶりに増加に転じた。しかし、2022年度国内GHG排出・吸収量は、過去最低値を記録し、オントラック(2050年ネットゼロに向けた順調な減少傾向)を継続したと報告している。

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による情報公開

温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」は、特定排出者に、自らのGHG排出量の算定と国への報告を義務付け、国が報告された情報を集計・公表するもの。

排出者自らが排出量を算定することで排出実態を認識し、自主的取り組みのための基盤を確立すること、さらに排出量の情報を可視化することで国民・事業者全般の自主的取り組みを促進することを狙いとしている。また、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度公表ウェブサイト」における情報の公表は2024年から開始された。

なお、特定事業所排出者は、「すべての事業所の原油換算エネルギー使用量の合計が1500kl/年以上」または「従業員が21人以上で、GHGの種類ごとに、すべての事業所の排出量がCO2換算で3000トン以上」の事業者を指す。

特定輸送排出者は、輸送部門の排出量報告を行う特定排出者で、省エネルギー法に基づく特定貨物輸送事業者、特定荷主、特定旅客輸送事業者、特定航空輸送事業者等が該当する。

【参考】
環境省ー地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における令和4年度温室効果ガス排出量の集計結果の公表について

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/10dd9740-1ab0-494f-8291-624f39cc1a2b

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