北海道ガス(北海道札幌市)は5月14日、フェリー向けのLNG(液化天然ガス)燃料の供給を開始したと発表した。フェリー向けの供給は北海道内では初で、北海道ガスとしても船舶への供給は初めて。低炭素の燃料によって、海運業界全体の将来的な脱炭素化につなげる狙いがある。
商船三井、石油資源開発との協定に基づく
LNGは商船三井さんふらわあ(東京都千代田区)が運航する新造のLNG燃料フェリー「さんふらわあ かむい」(苫小牧~大洗航路)に供給された。2023年1月、北海道ガスが商船三井、石油資源開発とともに締結した基本協定に基づくものだ。
専用設備不要の「Truck to Ship方式」で供給
LNGローリー車を通じてフェリーにLNGを供給する「Truck to Ship方式」で供給された。陸上のLNGローリー車を使用するために専用設備を必要とせず、燃料供給のニーズに柔軟対応できるという。
石炭や石油よりCO2少ない「低炭素」燃料のLNG
LNGは化石燃料の一種で、輸送や貯蔵の際に多くのCO2を排出するものの、石炭や石油に比べるとCO2排出量は少ない。国際海事機関も船舶燃料の環境規制強化を進めており、低炭素を実現する燃料としての需要は高まっている。北海道ガスは陸上におけるLNG輸送・貯蔵での実績や経験を活かし、海運業界の低・脱炭素化を後方支援する。
北海道ガスは「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」を目指し、天然ガスの普及拡大を通じて、地域社会の発展に寄与するとともに、北海道の低・脱炭素化に貢献してまいります」とコメントしている。

LNGは石炭や石油などほかの化石燃料に比べるとCO2排出量が少ない(出所:PIXTA)
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/cf3ad036-b652-4709-bcad-f8f912527a65